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ブラック企業アナリスト 新田 龍のブラック事件簿 Vol.048

ブラック企業アナリスト 新田 龍のブラック事件簿
▼第48号 ----------                          2022/7/8 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ブラック企業アナリスト 新田 龍のブラック事件簿 Vol.048 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ────────────────────────── インデックス 【パワハラが問題視されているのに、なぜ一向に止まないのか】 【近況・告知】 【Q&A】  【本メルマガに関する免責事項】  ────────────────────────── ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 【パワハラが問題視されているのに、なぜ一向に止まないのか】 長年にわたって新築着工棟数で県内1位の地位にあり、北東北エリアでもトップ クラスの実績を誇っていた、青森県八戸市の住宅会社「ハシモトホーム」。 同社に勤めていた40代の男性が自殺したのは、上司からのパワーハラスメントや 過重労働が原因だとして、男性の遺族が会社側に約8千万円の損害賠償を求める 訴訟を起こしたことが先日大きく報道された。 男性は2011年に注文住宅の営業職として同社に中途入社。18年1月頃、上司から 男性の携帯宛に「お前はバカか?」といった内容のメッセージが複数回送られた ほか、会社関係者が集まる新年会で「症状」と題した文書を渡された。文書には 「貴方は、今まで大した成績を残さず、あーあって感じ」などと、男性を侮蔑する ような文言が書かれていた。男性は翌月に重度の鬱病を発症し、その後自ら命を 絶ったという痛ましい事件だ。 20年、青森労働基準監督署が自殺の原因は「上司のパワハラで重度の鬱病を発症 したため」として労災認定した。その後遺族は謝罪等を求めて会社側と交渉して いたが、会社は「法的責任はない」として交渉は決裂。そして今般の提訴に至った ものだ。会社側も提訴と報道によってようやく責任を認め、「本件を重く受けとめ、 最大限誠意ある対応をとる」とコメント。また外部専門家に本件の調査を委嘱し、 原因調査と再発防止策の提言を実施することも発表している。 問題となっている「症状」について同社の橋本社長は、「年始行事の余興の一環 として、営業成績上位の社員に渡していた。程度の差こそあれ、類似の内容だった」 と説明。要するに、単純に褒めるだけでは物足りないから、場を盛り上げるために 面白おかしくイジってみた、といった程度の感覚だったのだろう。 会社が「余興のつもりで」侮辱賞状を渡し始めたのが約10年前。男性社員の自殺 が4年前。労災認定が2年前。その間、会社はずっと責任を認めてこなかった。 慌てて謝罪したのは遺族に訴えられてから。ここから分かるのは、パワハラは加害 者にとっては実に無自覚に行われるものであり、被害実態が見えづらいということ。 そして結果的に誰からも「おかしい」と声が上がらず、倫理観が欠如した環境に

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