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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 132
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、タオバオの大きな変化についてご紹介します。
具体的には本文で説明しますが、表面的な変化よりも、重要なのはその背後にあるロジックの変化です。タオバオでは次の2つの大きな変化が起きています。
1)流量から留量へ
2)UGCからPGCへ
流量というのはウェブで言えばPV(ページビュー)で、留量というのはPV×滞在時間のことです。つまり、タオバオは今までとにかくたくさんの消費者を集めて購入に結びつけてきましたが、これが長時間、タオバオに滞在してもらってその間に商品と接触してもらい購入に結びつけるという考え方に変わりつつあります。
オフライン小売で言えば、スーパーマーケットが複合型ショッピングモールに転換をするような大きな変化です。
UGCはユーザーが作るコンテンツ、PGCはプロが作るコンテンツのことで、SNSの多くはUGCによって成り立っています。タオバオに長時間滞在してもらうためには何らかのコンテンツが必要になりますが、通常のSNSはUGCによりそのコンテンツを生み出しています。
しかし、タオバオは、出品業社がコンテンツを提供するPGCを活用しています。これはタオバオの大きな特徴になっていますが、うまくいくのかどうかはよくわかりません。タオバオの挑戦のひとつです。
特に重要なのは、「流量から留量へ」という変化で、中国のECは、ライブコマースに続いて、次の時代に入ることになります。
今回は、タオバオから始まった、ECの大きな変化についてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 132
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▼目次▼
流量から留量へ。UGCからPGCへ。変わり始めたECのビジネスモデル。タオバオの変化
小米物語その51
アリババ物語その51
今週の「中華IT最新事情」
Q&Aコーナー
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流量から留量へ。UGCからPGCへ。
変わり始めたECのビジネスモデル。タオバオの変化
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今回は、タオバオの大きな変化についてご紹介します。
淘宝網(タオバオ)は、言うまでもなくアリババを象徴するECサービスです。そのタオバオが、ソーシャルEC「ピンドードー」、SNS「小紅書」(シャオホンシュー、RED)、ショートムービー「抖音」(ドウイン)、「快手」(クワイショウ)などに市場を蚕食されて苦しい立場に追い込まれているということは数度にわたってご紹介してきました。
「vol.117:アリババに起きた変化。プラットフォーマーから自営へ。大きな変化の始まりとなるのか」では、プラットフォーム運営ではなく、直接自営店舗を出そうと試みていることをお伝えしました。
「vol.124:追い詰められるアリババ。ピンドードー、小紅書、抖音、快手がつくるアリババ包囲網」では、なぜタオバオが追い詰められているのか、その理由をご説明し、対抗策として「淘特」「態棒」などの新たなサービスを始めていることをご紹介しました。
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