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池田清彦のやせ我慢日記 vol.219 -ウクライナ紛争後のEUのエネルギー戦略の行方-

池田清彦のやせ我慢日記
池田清彦のやせ我慢日記 / 2022年7月8日発行 /Vol.219 INDEX 【1】やせ我慢日記~ウクライナ紛争後のEUのエネルギー戦略の行方~ 【2】生物学もの知り帖~ハチの羽音を真似てフクロウを遠ざけるコウモリ~ 【3】Q&A 【4】お知らせ 『ウクライナ紛争後のEUのエネルギー戦略の行方』  少し前に『SDGsの大嘘』と題する本を出版した。発売1か月で発行部数が3万2千部に達したので、拙著としては結構売れている方で嬉しい。2時間もあれば読めるので、是非紐解いてほしい(まあ紐で縛ってあるわけじゃないけどね。昔は、本は貴重品で、普段は帙{ちつ}という覆いで保護してあって、読むときにはこれを解いたのだ)。一番大事な論点は、SDGsといういかがわしいお題目を流行らせたのはヨーロッパ(EUとイギリス)の政治経済的な戦略だということだ。  ヨーロッパは化石燃料の埋蔵量が少なく、世界中で、化石燃料を自由に使っているうちは、化石燃料を沢山埋蔵している国に対して経済的に勝ち目が薄い。石炭の可採埋蔵量は、2018年の統計では、アメリカが一番多く(全世界の23.7%)、ロシア(15.2%)、オーストラリア(14.0%)、中国(13.2%)、インド(9.6%)と続き、インドネシア(3.5%)、ドイツ(3.4%)、ウクライナ(3.3%)である。ヨーロッパの中ではドイツの埋蔵量が比較的多い。  石油はどうかと言うと、同じく2018年の統計で、中東(48.3%)、ベネズエラ(17.5%)、北米(13.5%)、ロシア(6.1%)と続き、ヨーロッパは0.8%である。天然ガスの埋蔵量はロシア、イラン、カタール、トルクメニスタン、アメリカ、サウジアラビアと続き、ヨーロッパの埋蔵量は少ない。  また最近話題になっている、シェールガス、オイルに関しても、シェールガスの可採埋蔵量は上位から、中国、アルゼンチン、アルジェリア、アメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリア、南アフリカ、ロシア、ブラジルがトップ10。シェールオイルはロシア、アメリカ、中国、アルゼンチン、リビア、ベネズエラ、メキシコ、パキスタン、カナダ、インドネシアがトップ10である。

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  • 右傾化とグローバリゼーションという矛盾した政策は、遠からず破綻することを、多くの人に知らせたい。 日本はこのままではヤバイんじゃなかろうか、と漠然と思っている人に、考える理路を提供したい。 なんとなく生きる元気が出ない人に、ほんの少しでも生きる楽しみを持ってもらいたい。 このメルマガを読めば、マスメディアの報道のウラに潜む、世間のからくりがわかります。 というわけでこのメルマガではさまざまな情報を発信して、楽しく生きるヒントを記していきたいと思っています。
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