『炎の王
国』の後半部分はまさにゴシック恐竜ロマンともいうべき異常な世界観に
突入していく。古典的な怪奇映画に登場する古城のような巨大な館の中を、
ほとんどノスフェラトゥのような長い指と爪を持った改造恐竜インドラプ
トルが徘徊し、少女が逃げ惑うシーンはまさにバヨナ監督の真骨頂。それ
ばかりか、窓の外からドラキュラよろしく抜き足差し足でインドラプトル
が室内に入ってくるわ、館の屋上で狼男よろしく月をバックに咆哮するわ、
第1回ロンドン万博の水晶宮を思わせるガラス屋根の上で『オペラ座の怪
人』よろしく見栄を切ってから『キングコング』みたいに落下するわ、一
体なんでそんなことを『ジュラシック・パーク』フランチャイズでやろう
と思ったのか分からないあれこれが(まあ「やりたかったから」なんでし
ょう)怒涛の勢いで展開する。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)