【自衛隊ー術科学校その2】
「おとことおんなーあやつりつらーれ♪、こいの…」
「よ、キンジョー、」
みつおはお酒で陽気になり、近くの夏祭りのカラオケ大会で歌っていた。
もちろん優勝する目的ではなく、タダでカラオケを歌うのが目的だった。
地元なら絶対にありえないが、ここは遠く離れた埼玉である。
誰も知人がいるわけないので、気持ちが大きくなっていたのだった。
「おっ、カラオケ大会やってるよ、出よう」
「嫌だよ、お前でれ」
「おー、出る出る」
そうやって本当にエントリーしたのだった。
日曜日の夜9時が門限だったが、ギリギリになって慌てて駅へ向かい、電車を待ってると
「あれ、1人足りなくね?」
「あー、アイツ何やってるんだ」
仲間の1人が、反対側のホームで誰かと話していたので、慌てて呼びに行った。
「おい、門限に遅れるよ早く帰ろう」
そうやってそいつの肩を掴んで連れて行こうとすると
「オイ、にーちゃん何やっとんねん」
明らかにヤバい雰囲気のゴロツキだった。
きっと仲間に何かを売りつけようとしていたのだろう。
だが、ほんまモンなのかかなりドスの効いた声で
「人の商売邪魔する気か?」
と因縁をつけられた。
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ
心臓がドクドクしてきた。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)