◆石川さん、わずか及ばず/「今後は白紙」
参議院選挙が7月10日投開票され、北海道選挙区で立候補していた石川知裕さんは、わずか一歩及びませんでした。 今週のメルマガは、編集部が札幌市内の選挙事務所で取材したものを配信します。
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9年ぶりの国政復帰をめざして挑んだ今回の参院選。 石川さんは立憲民主党の公認を得たものの、連合などの大きな組織からの支援は一部にとどまり、草の根の選挙戦をした。 「現場主義」を旗印に、「風は自らが起こすもの」と言って、道内を駆け巡った。
開票結果の大勢が判明したのは、開票開始から約5時間が経過した11日午前1時50分ごろだった。 近くで待機していた石川さんが選挙対策本部に姿を見せた。
支持者からの拍手に迎えられた石川さんは、伏し目がちに支持者の前に立った。 手に汗握りながら開票速報を見つめていたのだろう。 18日間の選挙戦ですっかり日焼けした顔には、たっぷりの汗が浮かんでいた。
選対本部長の鉢呂吉雄参議院議員がまず挨拶に立ち、「少数精鋭のたいへんな激戦となった。 結果はご覧のとおりとなり、力及ばず申し訳ない」と述べた。
石川さんは、「全身全霊をかけて戦いました。 いま脱力してしまい、十分に考えられない。 組織の支援が少ない草の根選挙となり、『風は自ら起こすもの』と心に決め、活動してきました。 風は確実に吹いたと思います。 しかし、及ばなかったのは私の力不足でした」と述べ、支持者たちに深々と頭を下げ、おわびした。 途中、言葉に詰まるときもあった。
今後について、鉢呂氏は「石川さんは、私が日本で最も信頼する政治家であり、政策通だ。 石川さんにとっても、この戦いを糧に飛躍できる。 私も11回立候補して3回負けている。 次につなげる戦いになった。 引き続き、石川さんを支援してほしい」と話した。
石川さんは「今後についてはまったくの白紙です。 引き続きご指導ください」と述べ、集まった支援者ひとりひとりと握手をして、選対本部を後にした。
集まった報道陣は、石川さんに18日間密着した「番記者・担当記者」が多かったのだろう。 石川さんの激戦ぶりを間近に見続け、石川さんへのシンパシーがあったのかもしれない。 選対本部から出ようとする石川さんを引き止めて話を聞こうとする記者はいなかった。 涙ぐんで見送る記者もいた。
このとき、時計の針は午前2時を回っていた。
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