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【Vol.438】冷泉彰彦のプリンストン通信『安倍晋三氏、長期政権のマジックとは?』

冷泉彰彦のプリンストン通信
▼「国葬問題をどうするか?」  安倍晋三元総理を、国葬で送るかというのは難しい問題です。亡くなった 今でも「アベ政治」という意味不明なものと「戦うと元気が出る」というグ ループの方々は、大声で反対していますが、私は国葬でお送りするのが適切 だと思います。  1つ目は、賛否両論はあっても8年8ヶ月総理大臣に在任し、政治家とし て殉職した方への当然の礼節ということがあります。  2つ目は、これは国難であり、それを日本は受け止めて乗り越えるという ことを、世界に発信するには国葬を粛々と挙行するのが良いと考えられます。  3つ目は、世界的な安倍氏への評価は日本の平均よりもずっと高いので、 国際的に見て国葬の方が自然だということがあります。  4つ目は、弔問外交の可能性です。トランプが来るのであれば、ライバル のバイデンも来るでしょう。そうしたら習近平、プーチンも来る、そこへゼ レンスキーも来るという格好で、即時に和平ができるとは思いませんが、弔 問外交が和平交渉のキッカケになればということは言えます。安倍氏への最 大の供養になると思います。  5つ目は、要人警護の問題です。今回の一件で、日本の要人警護体制への 評価は地に落ちた格好です。この評価を一気に改善するのには、国葬を挙行 し、各国元首の臨席を迎えて、平穏に警護を完遂するというのが最善です。 反対に、警備の問題で、国葬や要人受け入れを見送ったという評判が立つの は望ましくありません。  6つ目は、模倣犯予備軍への圧力です。見事な国葬を粛々と挙行すること は、国と社会の安定を強く印象付けて、凶行の連鎖を食い止めることになる のではないかと考えます。  7つ目は、神格化の危険はないということです。今回、岸田内閣により大 勲位菊花章頸飾の授与が公表されました。措置としては、正しいと思います が、そもそも安倍晋三氏には良い意味で「大勲位」は似合わないと思います。 同じ理由で、国葬の礼をもってお送りしても、神格化ということはあり得な いでしょう。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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