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第263号:電気から自立革命を(中)

田中優の‘持続する志’(有料・活動支援版)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『 田中優の未来レポート 』 第263号/2022.7.15 http://www.mag2.com/m/0001363131.html ※ 有料メルマガにつき、全文の転送転載はご遠慮ください 一部転載は大歓迎です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 電気から自立革命を(中) ここで改めて電気料金の要素について見てみよう。送電線につながっている限り、料金はこの4つの合計になる。 『基本料金』+『電力量料金』+『燃料調整費』+『再エネ賦課金』=月々の電気代だ。 基本料金 まずは『基本料金』、普通の家庭だと『従量電灯』で消費量の大きさでABCと増えていき、例えば東京電力ならデフォルトは従量電灯Bになっている。ここから『基本料金』の計算だが、東北・北海道・東京・北陸・中部・九州の旧電力会社と、関西・中国・四国電力とで異なる。東京電力等は契約アンペア数によって異なり、関西電力等は、電気使用量に応じて異なる。さらに「新電力」と呼ばれる新参電力会社の場合には、独自の契約があることもある。この『基本料金』とは意味不明で、つないだら取られるショバ代のようなものになっている。 東京電力等ならアンペア数を下げると安くなり、関西電力等では使用電力量を下げると安くなる。アンペアは最大消費量を確保するものなので、最大消費量を下げれば低くできるから、熱器具に電気を使わなくすれば下げられる。特に暖房便座などは意外と大きすぎるので注意。アンペア数を低くしすぎると、ヘアドライヤーを使うたびに落ちてしまう。 関西電力等ではアンペア数の制限がないので、快適に使いすぎると危険だ。 どちらの契約にしても、とにかく電気使用量が最低なら安い。どちらにしても月の電気使用量が120kW以下なら安くされているので、そこまでは電力会社の電気を利用し、それ以上は自給してしまうというのが賢明だ。我が家が太陽光発電を入れて電気の自給を始めたばかりの頃、急に電力会社の送電を切るのが不安でつなげていたが、月の電気消費量はその範囲で収まっていた(我が家は中国電力)。 電力量料金 次の『電力量料金』はまさに電気使用量そのものの料金で、一般的に夏冬の冷暖房時に大きくなり、春秋は少ない。今や我が家は完全自給なので、晴天の多い夏冬はエアコンで過ごすことが多くなった。ただし冬場はペレットストーブも使っている。大きな熱量が必要な時期にはヒートポンプ機能がついていてもエアコンの暖房だけでは足りないからだ。 暖房はエアコンだけでなく、なるべく化石燃料を使わない熱源を使った方がいい。可能なら木質燃料になる「ペレットストーブ」などを使って。 熱を使う中では電気であっても唯一許せる方法がある。それが「ヒートポンプ」だ。これは電気の熱だけではなく、電気でコンプレッサーを動かして、周囲の熱を集めて利用するものだ。電気だけと比べると、五倍ほどの熱を集めることができる。しかし、それでも他の化石燃料ほどの熱利用はできていない。しかし熱の利用には、別なメリットもある。 蓄電しようとするとリチウムイオンバッテリーなどを利用するため高くつき、しかも再度リサイクルすることはできない。リサイクル性能から見ると、以前からの鉛蓄電池の方に軍配が上がるほどだ。素材の価格から見ると、リサイクルする素材自体の値段が高くないからだ。つまり今後のリサイクルの可能性も高くない。 ただし「オリビン型リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」は寿命が長い。寿命の長さでは東芝の作ったSCiBだけが抜群の長さだが、未だ一般的な製品とはなっていない。それともう一つ期待できそうなのが、日産の開発した電気自動車「リーフ」だ。他国の電気自動車が火災事故を起こしている中、リーフだけは11年間事故を起こさなかった。その後水没したリーフのバッテリーが火災を起こしたが、動力用のメインバッテリーからではなく、内装装置用のサブバッテリーからであり、しかも水没させたままにしておいたせいだった。このことは、メインバッテリーは破壊に強く、長持ちすることを示したと言えるだろう。 電気にして蓄電すると危険性は排除できないが、電気を水を温めることに機能させて、熱水にして貯めておくこともできる。蓄電ではなく蓄熱だ。水の保温性は高く、電気より安全ではるかに保存しやすい。 慧通信技術工業の「エコワンソーラー」は、正にその点に着目して温水で蓄熱する。しかもヒートポンプを動かすのは日中の水が暖かい時間帯で、しかも周囲の温度が高くなった時間帯の外気の熱を集めるから効率が良い。しかも日本人は毎日風呂に入るほど温水を利用するのでその分を再生可能エネルギー利用で埋めることができる。

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  • 環境活動家、田中優(たなかゆう)の有料・活動支援版メルマガです。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などのさまざまなNGO活動に関わり、日本で初めてのNPOバンクを作りました。経験と知識と綿密なデータを基に、独自の視点で生み出した社会の新しい仕組みづくりのヒントや国内外を取材したお話をご紹介します。頂いた購読料の一部を、次の社会を作るための活動資金にさせて頂きます。 ★まぐまぐ大賞2017 専門情報部門にて【第1位】 ★まぐまぐ大賞2018 専門情報部門にて【第2位】 ★まぐまぐ大賞2019 専門情報部門にて【第3位】 を頂きました!
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