■ポジティブフィードバックで、できる部下を育てる
「上司がフィードバックをくれない」と悩む人は多い。「仕事のや
り方はこのままでいいのか」「求められていることがわからない」
「私には実力はないのか」などと悩んだり、落ち込んだりしている。
実績があり、仕事ができる人までも、上司からフィードバックがな
いと感じている。その結果、仕事に集中できずにいる。世界中の企
業で起きている課題だが、日本では特に多いようだ。
素晴らしいリーダーに共通していることは、戦略的に組織の方向性
を示すだけでなく、部下に「見ているよ」「認めているよ」といっ
たポジティブなフィードバックを頻繁に行っていることだ。
「強み」や「得意」を認められれば誰でも嬉しいものだ。彼らのポ
ジティブフィードバックは、国籍や年齢、バックグラウンドを問わ
ず効果がある。
リモートでは難しいとされる部下指導や管理もポジティブフィード
バックなら効果的に行える。働き方が多様化している今、上司、リ
ーダーには、ポジティブフィードバックをぜひ取り入れてほしい。
★
たったひと言のポジティブフィードバックが、部下の人生を変える
ものだ。ポジティブフィードバックを行うことには、次の5つの効
果が期待できる。
まず、部下のやる気がアップする。次に、自信がアップする。3つ
目は、人間関係がアップする。4つ目は、仕事への理解度がアップ
する。5つ目は、主体性がアップする。
そして、ポジティブフィードバックは、フィードバックする側にも
大きな効果がある。組織や部下が成長して、主体的に動くチームが
できる。そして、フィードバックをする人の幸福度が上がるのだ。
「ポジティブフィードバックしよう」と思うことでワクワクし、伝
えて相手が喜ぶ様を見てハッピーになり、相手が夢中で行動するこ
とを見て喜ばしいと感じるなど、3回も嬉しい気持ちになれるのだ。
★
フィードバックの土台にあるのは「承認」だ。特に4つの「承認」
が基軸になる。まず「結果承認」だ。期待通りの結果を出してくれ
た時、具体的にポジティブフィードバックをすることだ。
忙しい中、成果や結果を出してくれた部下に、相手の強みを話した
り、純粋に感謝の気持ちを伝えることだ。成功体験を認識すること
で部下と喜びを分かち合えば、絆の強い人間関係ができる。
2つ目は「行為承認」だ。結果を出している、出していないにかか
わらず、相手が行っていることを承認することだ。結果が出ていな
いのに承認することに疑問を抱くかもしれない。
だが、結果を出る前に「行為」や「存在」を承認されると、人は
「これでいいんだ」と確認できる。その結果、やる気や自信が生ま
れて、より良い結果を素早く出すことができるのだ。
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3つ目は「存在承認」だ。どんな結果を出しているかにかかわらず、
相手に対するリスペクトを行う最も基本的な承認だ。相手に気を配
り、相手を気にかけることで行うことができる。
存在承認があるかどうかは人間関係や仕事のパフォーマンスに大き
な影響を及ぼす。また、言語コミュニケーションだけでなく、笑顔
や目線、声のトーンなど、非言語コミュニケーションも大切だ。
4つ目は「可能性承認」だ。結果を出すには、改善すべきところが
ある時、期待を込めて行う承認だ。よく言う「ネガティブフィード
バック」に当たるものだ。
過去に起きたことについて叱ったり、文句を言ったりするのは、相
手に対して期待があるからだ。大事なことは、ネガティブなままの
フィードバックで終わらせないことだ。
「未来に向けて」「期待しているよ」「信じているよ」といった肯
定的な言葉に変換して、ポジティブフィードバックで伝えるのだ。
それが、受け取る側のやる気や自信につながるはずだ。
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