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175回 警察批判のできない国

和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
安倍首相が殺されたことへの怒りが治まらず、前回書いたような警察批判をしたいと産経新聞の正論欄に申し込んだらものの見事に断られた。 産経新聞というと、保守論壇の総本山のようなところで、安倍氏とも近い人が多い。警察は何をやっているんだと思っている人も多いだろうと思ったのだが、甘かった。 正論欄に関してはメンバーからの申し出は原則的にOKしてくれるという話を聞いたこともあるし、私が提案して断られたことはない。 国葬になるレベルの総理大臣経験者が殺されても警察の批判は許されないという日本のマスコミのあり方に背筋が走った。 産経が警察との関係を重視したのか、それともマスコミは基本的に警察の批判ができないのかはわからない。 いずれにせよ、マスコミの警察批判、警察体制への批判はものすごく手緩い。 おそらくは、マスコミは警察とケンカして情報がもらえなくなるのが怖いのだろう。 取材をきちんとしたら警察情報などに頼らなくても済むのだろうが、それでは金がかかってしまう。 大きな事件はともかくとして、小さな事件まで含めると膨大な金となるのだろう。 そんな金を使うと社員の年収1500万円が守れなくなるから、取材をしないで警察情報を垂れ流すというのが習い性になっているのだろう。 大マスコミが警察の批判をできないのなら中国以下だ。 中国だって、習近平の悪口さえ言わなければ、結構、警察の悪口を書いている。 警察批判ができないのなら、半永久的に警察組織は変わらない。 治安もよくならず、ストーカーなどの被害も被害届が受け入れられない状態が続く。レイプ被害もまともに捜査されず、現行犯でやりやすい痴漢だけは一生懸命捕まえられ、痴漢冤罪の被害も続くだろう。 実際、統一教会の被害が続いたのも警察がまじめに動かなかったからだ(これには政治家からの圧力があったという説もあるが)。 実際、拉致被害のときは、2回の現行犯逮捕をしているのに、当時は自民党に北朝鮮利権の人がいて、そこからの圧力で、即時釈放になっている。そして共産党が初めて、これを国会でとりあげた(当時は、親ソで、反中国・反北朝鮮だった)。それなのに拉致問題で共産党は北朝鮮の味方のように言われ、自民党が正義面をしているのに、私には釈然としない。 さて、拉致の即時釈放の話と自民党の圧力の話は、当時、産経の記者だった人から聞いたのだが、実際、警察のさまざまな問題点をマスコミは握っている。

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  • 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
  • 世の中のいろいろなことにたった一つしかないと考え、それを信じ込むことは、前頭葉の老化を進め、脳に悪い。 また、それが行き詰った時に鬱になるというメンタルヘルスにも問題を生じる。 ところが日本では、テレビでもラジオでも、○○はいい、××は悪いと正解を求め、一方向性のオンパレードである。 そこで、私は、世間の人の言わない、別の考え方を提示して、考えるヒントを少しでも増やし、脳の老化予防、メンタルヘルス、頭の柔軟性を少しでもましになるように、テレビやラジオで言えない暴論も含めて、私の考える正解、私の本音を提供し続けていきたいと思う。 質問、相談、書いてほしいテーマ等、随時受付。
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