【離島勤務】
「はじめまして、よろしくお願いします」
「よろしく、じゃ行こうか」
みつおは離島の空港で、迎えにきた隊員の車に乗って勤務地である基地へと向かった。
「ここがこの島の一番の繁華街だよ」
迎えに来た人が案内した通りは確かにいろんな店が揃っていた。
スーパー、理容店、雑貨屋、民芸品店、喫茶店
生活に必要なものは全て揃いそうな通りだった。
しかし…
那覇の国際通りとは比べものにならなかった。
国際通りは、奇跡の1マイルと呼ばれ、戦後の復興で急激な賑わいを見せ、今では観光客が必ず訪れると言われる場所になっていた。
しかし、この島のメインストリートは、わずか数十メートルで、人通りもほぼ無かった。
そのメインストリートを通り過ぎると、ポツンポツンと赤瓦のある住宅街を通り過ぎて左に曲がり山の上へと登りはじめた。
すぐに住宅はなくなり、森林の間の山道をひたすらと車で走ること30分
ようやく自衛隊の門が見えてきた。
「ご苦労様です」
「ご苦労様です」
運転手と門の前に立っている警備員がお互いに敬礼して、門を入っていった。
いよいよ初めての職場に向かうのだ。
みつおは緊張してきた。
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