革命に「見えざる力」
僥倖だった経済発展
戦争経済モデル移行
台湾侵攻で経済破綻
習近平氏は、今秋の共産党大会で「国家主席3選」を目指している。習氏はすでに、党の「核心」と位置づけられている。さらに、共産党史上3回目の「歴史決議」を発表した。過去2回は、毛沢東と鄧小平だけである。このように、不動の地位を固めているので、習氏が異例の国家主席3選をクリアする公算が強いと見られている。
習氏は、毛沢東をモデルとした政治を目指している。習氏の考えのみで、中国を指導する独裁スタイルを踏襲しようとしているのだ。この方が、効率的な国家運営が可能という判断である。習氏は、民主主義が効率性の面で劣り、次の世界をリードするのは独裁主義と固く信じている節が窺える。それは、「衰退する米国、発展する中国」という習氏の言葉に表われているのだ。
革命に「見えざる力」
毛沢東が指導した共産主義革命運動は、独力で成功したものではない。第二次世界大戦で、日本が敗れたことが、大きく状況を変えた。これは、毛沢東自身が述べており、日本軍が中国から撤退したことで革命運動を遮る力が一つ除去されたのである。仮に、日本軍が中国に止まっていたならば、国民党との戦いは部分的なものに止まったに違いない。
新中国になってからは、ソ連との対決が目立ち始めた。同じ共産主義であるから、対決せずに共同戦術を取るのが普通であろう。それが、図らずも「中ソ対立」へ発展し、大量のソ連軍は中ソ国境線に配置されていた。一触即発の危機を救ったのは米国である。米国は、「米ソ対立」で冷戦時代の渦中にあった。ここで、米国が中国へ接近して「米中融和」を成功させ、米中がソ連へ共同で対抗する構図に変わった。
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