今のアメリカ経済は、PCI総合では、8~9%の高インフレが火
を噴いていて、「景気減速の中の物価高」「スタグフレーションっ
ぽい」状態です。
パウエルFRBの金融引き締め政策は引続き後手後手に回っている
ので、今のスタグフレーションっぽい状態は、遅かれ早かれ「本格
的なスタグフレーション(不況の中の物価高)」へと発展してゆく
ことでしょう。
「スタグフレーション」とは、「高インフレ」と「高い金利」が共
存する世界です。そしてこの二つはとてもしぶとく長く続くので
す。高い金利とは、短期の政策金利のことも長期金利のことも指
します。
9%もの高インフレが起きているのに、長期金利が2.70%台
に留まっている今の状態は異常です。
そもそも、政策金利が未だに1.50%しかなく、明日27日の
FOMCで0.75%の引上げが決定されたとしても依然政策金利
が2%台に留まっていることは、9%の高インフレが巻き起きて
いる中では明らかに異常です。
しつこいように繰り返しお伝えしていることですが、
「スタグフレーション」時代では、FRBが政策金利を「期待イン
フレ率を上まわるような高い水準」にまで長期間引き上げないと、
高インフレは収まりません。(テイラールール)
そして、今現在のアメリカの向こう1年の期待インフレ率は、5.
3%です。今のアメリカの高インフレを退治するためには、この
「期待インフレ率:5.3%」よりも高い政策金利が必要なので
す。テイラールールに基づくと、その政策金利は6~7%あたり
と推定されます。
ところが、目下の金利先物市場では、「FRBの政策金利は2022
年末の時点でも3.00~4.00%程度」と予想しています。
これは中立金利水準を少し上まわる程度です。
これでは、アメリカ経済は減速してゆくかも知れませんが、アメ
リカの高インフレは、今後ますます加速することはあれ、収束す
ることはないでしょう。
内外のマーケットでは、「強気派たちが主張する楽観論」に裏打ち
されて、金利市場、債券市場、株式市場、資源コモディティー市場
などなど、あらゆる資産クラスで「ゆがみ」が蓄積されつつありま
す。
早ければ7月26日~27日のFOMCで、パウエルFRBが「株
式強気派たちが主張するインフレ・ピークアウト論やソフトラン
ディング論」などの「数々の珍説」を一蹴、毅然とタカ派的態度に
徹するならば、この日のFOMCを境に内外の株式市場は再び大荒
れに荒れ始めるでしょう。
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