今回7月26~27日のFOMCでは、もはやアメリカ経済が減速
すること(そして、もしかしたら景気後退入りすること)は「自明
のこと」になりました。
この日のFOMCでは、パウエルFRBにとっては、アメリカの実
態経済が減速しようが後退しようがそんなことにはお構いなしに、
「高インフレ退治」が「一義的な責務」となったことが改めて確認
されました。平たく言えば、FRBの頭の中は、もはや景気減速や
景気後退なんてものは脇に追いやられていて、「高インフレ退治の
ためのビシバシ利上げ」のことしか入っていないのです。
この日のFOMCでは、政策金利は0.75%引上げられて2.2
5~2.50%となりました。この水準は景気を刺激も抑制もし
ない中立金利の水準です。
FRBはやっと「高インフレ退治のためのスタートライン」に立っ
たのです。これからが「FRBのインフレ退治の腕の見せ所」です。
さらに、この日のFOMCから、FRBは「フォワードガイダンス」
を放棄しました!!!今後のFRBの政策金利の引き上げは、「デ
ータ次第」、「インフレの行方次第」の「予見抜きの完全手動による
飛行操縦」となります。
FRBがフォワードガイダンスを放棄したことは、とても良いこと
です。なぜならば、未だに「ディスインフレ脳のままの金利先物市
場」が「素人同然の間違った先読み」をして、市場全体を混乱させ
るようになって来ているからです。
実際に、今の金利先物市場は「FRBが政策金利を年内には3.4%
あたりまで引上げると、その後引き上げを停止、来年半ばあたり
から政策金利の引き下げへと転じる」と、やたらヤワナなハト派
的な「間違った先読み」をしています。
金利先物市場は、「パウエルプット」が高インフレ時代にも引き続
き存在していると未だに信じているようなのです。
ところが、高インフレ時代には「パウエルプット」はもう存在して
いません。
この金利先物市場の「間違った超楽観論」は、債券市場や長期の金
利市場や株式市場をもすっかり「超楽観論」染めあげて、混乱させ
ています。
しかしながら、今回の「実際のFRBによる高インフレ退治」は、
こちら貞子メルマガが繰り返しお伝えしておりますように、金利
先物市場の先読みよりも遙かに「タカ派的な厳しいもの」になっ
てゆくことでしょう。
かくして、様々な資産クラスで蓄積された「市場のひずみ」は、や
がて解消されてゆくことでしょう。
今週号の「~勝利の女神~」7月29日号は、第五金曜日で
休刊日ですが、手短なものを配信します!!!!
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