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『 田中優の未来レポート 』
第264号/2022.7.30
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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電気から自立革命を(下)
(中)編のつづき
だから残念ながら、価格決定は透明化されたとはいえない。それどころか、FIT価格が市場価格ち連動され、その価格との差益が送配電線網を持つ送配電事業者(旧電力の大手電力会社)の利益とされたために、不適切な利益を旧電力に与えることとなった(図11)。
図11 FIT料金の行方
こうした「えこひいき」は今に始まったことではない。政府が推本で貞観地震の再来を危惧した時も、再生可能エネルギーのためのFIT価格を設定した時も電力会社の事務費にまで予算を割いていたし、福島原発事故が起きた時も東電を破産させずに政府資金で支えたし、事故の責任もまた最高裁での判決で見られるように東電を断罪しなかった。そのために政府は膨大な被害額を公費で支えて後の円安を招いた。
電力会社を支えるために、送電線という送電の費用を発電の費用に含ませた。「総括原価方式」の解体も不徹底で、送電線網(グリッド)も解体せずに旧電力に持たせたまま、支配を続けられるようにした。
こうしたことを見ていたからこそ、ぼくが2013年に太陽光発電とバッテリーを入れて電気の独立をした時も、FITに申し込みもせず、補助金も当てにせずに自費だけで賄ったのだ。「電力会社の支配から逃れて独立して電気を自給すること」はぼく自身にとって悲願だった。何と言われようと独立して暮らすこと、それが可能であることを示したかったのだ。そして人からは非難されたり、「そんなことを人に伝えるな」と言われたりした。なぜならFIT価格でわずかな利益を得ることを、邪魔する発言だと見做されたからだ。そこから離れていった人も多い。
しかし不徹底な批判が今のような事態を生んだ部分は大きいと思う。わずかなFIT料金という利益のために、未来の作り方を見誤った人が極めて多いと思うのだ。電力は支配のための道具だから、わずかな利益を得るためではなく、オフグリッド(送電線網から離れること)を実現することこそが大事だと思うからだ。
だから私はオフグリッドを実現しようとする「慧通信技術工業」が本物だと思うし、同じく「電気を自給していくこと」を目的とする「自エネ組」を応援している。電力会社の送電網から離れなければ、加害者の一翼を担うことになってしまうのだと思う。
慧通信技術工業の製品は高いとされるが、その分だけ安全性が高く、電気に詳しくなくても利用できる。しかも電気料金ばかりでなくガス料金をも独立させてくれる。
我が家は太陽温水器を導入していたので叶わなかったが、この仕組みによる独立は魅力的だ。もしまだ導入してなくて二重投資にならないとしたら、これを入れていただろう。今や慧通信技術工業の製品にはエコワンソーラーという蓄電の代わりにお湯で蓄熱する方法もあるし、「おひさまエコキュート」という従来の「エコキュート」の2~3倍の効率を実現した製品もある。この理由は大きく言って従来の「エコキュート」が深夜の水を沸かしていたのに対して、昼間の暖かい水を日中の外気の熱を集めて利用していることと、お湯を沸かしてから使うまでの時間が短いいため、熱がほとんど冷めないことだ。
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