2022年 第 30号
【長尾和宏の「痛くない死に方」】
長尾和宏です。子どもたちは夏休みに入ったようですね。マスクをはずして、大いに
遊んで、泳いで、部活も頑張って、丈夫な体を作ってほしいと思います。
「鬼月」という言葉を知っていますか? ピンと来た人は、相当な台湾通とみました。
グエイユエ、と呼ぶそうです。中国語で鬼はグエイ、月はユエ。
日本のお盆にあたる1ヵ月を台湾では「鬼月(グエイユエ)」と呼ぶそうです。
鬼≒霊。旧暦の7月1日。あの世とこの世を繋ぐ扉である「鬼門」が開く日。ここから1ヵ月あまり、
あの世の「鬼」(霊魂)がこの世に戻ってくるとされています。「鬼月」で供養するのは、ご先祖様だけ
ではないそうです。「普渡拝拝(ブウドウ)」といって、帰る家のない、彷徨える「鬼」たちを供養する
儀式もあります。彷徨える「鬼」つまり、日本でいう無縁仏のことです。この無縁仏のことを台湾では、
「好兄弟」(良い兄弟)といっています。家の外にそれぞれテーブルを出し、酒やツマミ、果物やお菓子
に色とりどりの花や、お金の変わりといわれている金の紙をお供えするのです。
好兄弟たちは、そこから好きなものをとって食べて歩くといわれています。
無縁仏さえ、町でお世話をする――僕はこの「普渡」という習慣に、地域包括ケアの神髄を見るような
想いがします。
さて、今年は昨日、7月29日から台湾は「鬼月」に入ったとのこと。この鬼月にあたる1ヵ月間は、
タブー(禁忌)がたくさんあるようです。
〇鬼月にやってはいけないこと 10〇
1. 夜、口笛を吹く。何かを叩いて音を出す
2. 壁側を歩いたり、もたれたりする
3. 夜遊びや水遊びをする
4. フルネームを呼ばれたり、肩を叩いて振り返る。
5. 新しい車や不動産を買う。
6. バスや電車の最終便に乗る
7. 目立つことをやる
8. 夜、洗濯物を干す
9. 夜、写真を撮る
10. 病院に行く
……なんとも不思議なルールです。どれも霊に捕まるリスクを避けるためだとか。
ならば、2022年の日本の「鬼月」に、僕が考えた禁忌をご紹介しましょう。
〇長尾版 日本の「鬼月」2022の禁忌〇
1. 家にじーっと閉じこもる
2. 閉じこもって、ネットばかり見る
3. 閉じこもって、テレビばっかり見る。感染者速報に怯える。
4. ネットで、しかも匿名で言っている悪口を鵜呑みにする
5. テレビの、ワイドショーをコロナの情報源としている
6. 家を出るときは、人がいなくても、炎天下でもマスクをつける
7. すこし体調が悪いと、すぐに「コロナ」を疑う
8. 念のためPCR検査をしようかな、と考える
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