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岩上安身のIWJ特報! 第566号 田代秀敏氏インタビュー第4回後半(その1)

岩上安身のIWJ特報!
  • 2022/07/30
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第566号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 岩上安身のIWJ特報! 「長期化するウクライナ紛争~米国の代理戦争の代償」「米ドルの黄昏とアテナ イ覇権喪失の教訓」(第4回後半) 岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー (その1) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ロシアとウクライナとの紛争が長期化し、世界経済に与える影響が懸念される 中、岩上安身はエコノミストの田代秀敏氏に、2022年5月5日、5月12日、5月20日 、5月30日と4回にわたるインタビューを東京都内のIWJ事務所で行った。 ・田代秀敏氏(IWJ撮影) https://bit.ly/3zC9Dx5  ここでは一連のインタビューの最終回となった5月30日のインタビューの後半 部分を、「米ドルの黄昏とアテナイ覇権喪失の教訓」と題してお届けする。  田代氏は、古代ギリシャ世界で起きたアテネ帝国の衰亡の歴史が、現在の覇権 国家アメリカの姿と重なることを、多くの文献を示しながら解説していった。  大小さまざまな都市国家(ポリス)が存在していた古代ギリシャで、紀元前60 0年頃、初めて硬貨が出現し、それまで物々交換などで成り立っていた経済活動 は激変した。小さな金属片に、人々が同じ貨幣価値を認めるには高度な知性が必 要であり、田代氏は、「その時期に思考の大変革が起きていた」と指摘する。  貨幣価値を共有する広い交易圏ができあがり、ペルシャが侵攻してきた時には アテネの海軍とスパルタの陸軍とで撃退する。そして、この「共通の敵」の脅威 に備えて、紀元前478年、エーゲ海を囲む1000近くのポリスが、アテネを中心に デロス同盟を結成した。  だが、アテネは同盟国から集めた拠出金を管理するとして、パルテノン神殿の 建設を始める。さらに、アテネのアッティカ通貨を国際通貨(つまり、基軸通貨 )とするように同盟国に強制し、強大な海軍力をもってデロス同盟に君臨する帝 国を築いた。  「民主主義」の祖と言われるアテネだが、同盟国を属国化し、抵抗するポリス にはきわめて過酷な仕打ちをしている。「拠出金を払わないと、アテネの海軍が 攻めて来る。成人男性は全員処刑、女性と子どもは奴隷に。だから、払いますよ ね。何するかわかんないから」と田代氏は語る。  また、反乱を起こしたポリスの領土をアテネの下級市民へ割譲したため、戦争 で儲かることがわかった市民たちは、ますます戦いを求めるようになった。直接 民主制を実現させたアテネの民会(市民総会)においても、演説のうまい者が人 々を煽動するようになったという。  田代氏は、古代ギリシャの戦争史の大家、ヴィクター・ハンセン元カリフォル ニア大学教授がアテネを評した、「なにをしでかすかわからない気まぐれな民主 制」「死をばらまく戦争屋」という言葉を紹介した。

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