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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第484号2022.7.12 配信分
●すべては悪しき平等感覚が生む嫉妬の構造の賜物
無謬性と前例主義。いうまでもなくそれは、一般に霞ヶ関と称さ
れる政府機関の要となる中央官庁に蔓延る、行政官僚機構の不文律
ともいえる”組織に徹底された”行動様式だ。
無謬性とは、自らの判断施策などに誤りがない立場を取り続ける
ことを意味する。その結果として、前例主義の源泉でもある人事の
しがらみを受け容れるしかなくなる。仮に、前任者が過去に過ちを
犯したとしても、問題の本質が正されることはない。
日本が過去最大の好景気に沸いたバブル期における政府対応が典
型的だ。不動産や株式だけが問題であったにも拘らず、いわゆる市
民感覚のプレッシャーを受けた官僚が総量規制の形でキャッシュの
供給を閉じた。日本の宿痾とも言える悪平等主義が機能し、濡れ手
で粟の抜け駆け的な成功を許さない。
すべては悪しき平等感覚が生む嫉妬の構造の賜物だが、加熱して
はいなかった不動産/株式以外のマネー供給をも絞った結果、経済
全体を急激に冷やした。事実としてバブルといわれるほどの経済の
沸騰はそれ以外にはなく、該当する不動産を中心とする業種に限れ
ば好景気自体に罪はなかった。
結果的に平成時代の30年近くを『失われた……』と形容されるま
でのデフレ不況に陥れ、昭和末期の繁栄という”成功体験”の再来
を期待する大多数の国民の思いも重なって、時代の変化に応じた行
政や産業構造などの絶好の改革期を逃した。そして、平成時代の最
初の10年破綻が生じ証券会社や銀行が破綻し、マツダはフォードの
傘下に収まり日産はルノーの融資によって破綻を免れた。
日産については、当時の状況を忘れている。いわゆるバブル期に
「売れるから作れ」の号令にエンジニア集団が後先考えずに過剰装
備/過剰性能を糸目を付けずに追求する。大問題はスカイラインだ
った。このクルマがドメスティックブランドだったことを皆さんお
忘れか?R32から34までの3世代で立ったの6万台規模の販売に留
まった。それか構造上(直6ツインターボにアテーサE-TS)か
ら左ハンドルが作れない。そのことを承知でテクノロマンに走った。
●AE86もユーノス・ロードスターも完璧でないからファンがつく
未だに多くのファンが憧れ、その流れを汲むZ35の評価も同じ上
辺の評価に過ぎないが、1998年12月にルノーが6000億円余の資金を
持ち寄り、C.ゴーンルノー副社長(当時)をCOO(最高執行責
任者)として派遣しなかったら、跡形もなく消えていた。当時の通
産省もメインパンクの興銀(当時)も息を呑んで見守る他なかった
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