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習近平へ「引導」、現実化する人口減で潜在力急低下 消える「チャイナの夢」

勝又壽良の経済時評
  • 2022/08/01
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習氏の野望が中国を潰す 住宅ローン資金を流用へ 「青田売り」のカラクリ 29年後に人口半減恐怖 中国の習近平氏は、国家主席3期目を目指して国内引締めに躍起である。毛沢東以外は実現しなかった、「生涯国家主席」を目標にしているのだ。その障害になるものは、すべて排除する強硬手段に出ている。人民解放軍も手中に収めており、無敵の存在になった。肝心なのは、個人の欲望が国家の運命を狂わすという、重大事態の発生を知覚していないのだ。 習氏への権力集中が、大きな間違いを引き起こした。具体的には、「不動産バブル」を煽り利用したことである。習氏は、国家主席を規定通り「2期10年」で辞任すれば、バブル利用という小細工をせずに任期を全うしたであろう。だが、「生涯国家主席」という野望を持って、政策の焦点をここへ合わせてしまった。胡錦濤政権は、不動産バブル発生に極めて慎重であった。習氏はそれと、真反対の行動に出たのだ。 習氏は、不動産バブルで増加する土地販売収入を軍拡に投入し、米国覇権へ挑戦する姿勢を鮮明にした。不動産バブルなくして、軍拡路線の確立はなかったはずである。軍拡路線は、台湾の軍事開放へと繋がっている。習氏は、毛沢東すら実現できなかった台湾侵攻によって、自らの権威を最大限に高めて、「生涯国家主席」の座を不動にする目標を立てたのだ。 習氏の野望が中国を潰す 習氏の野望を実現する不動産バブルが皮肉にも、崩壊過程を突き進んでいる。再び、不動産バブルが起こる可能性は消え失せた。最近、起こったことでそれが明らかになった。事前契約で住宅を購入し住宅ローンを支払い続けているものの、建物の引き渡し遅延ケースの頻発である。中には、購入契約を結んだ翌月から、住宅建設がストップしたままという「詐欺同然」のケースも出ている。 不動産開発企業は、住宅の事前販売の「青田売り」で契約を結び、住宅ローン支払いを受けている。企業は本来、そのローン資金で建設工事を行なえば良いはずだが、資金を他に流用して肝心の工事をストップさせている。こういう違法状態が現在、中国で頻発しているのだ。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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