【歓迎会】
「こうしてお酒が飲めるのは、金城さんのおかげです。金城さんよありがとう、それ一気、一気、一気、一気」
赴任してから2週間後の土曜日
みつおの歓迎会が行われた。
一次会が終わり、二次会に誘われて行った先の店には、別の班の人も混じって飲み会が始まった。
そして、当時流行っていたジャンケンでの一気飲みが始まった。
ジャンケンで負けた人が一気飲みをするのである。
みつおはヤケになっていたので、勝っても負けても一気飲みをしていた。
歓迎会でヤケ酒である。
赴任してきた日、みつおは島のメインストリートを見てガッカリし、山を登ること30分、およそ5キロの道のりでショックを受けていたのである。
気持ちは島流しをされた気分だった。
元々航空機整備士になりたくて自衛隊に入ったのだが、違う職種にされ、さらに希望の那覇基地に行かせてやるという約束だったのに、こんな島に飛ばされてかなりテンションは下がっていたのだった。
あまりのショックで鬱になって、自分のベッドで引きこもっていたのだが、一週間ふさぎ込んでいても誰も気に留めてくれず話しかけてくれなかったので、逆ギレしたのだった。
それで、この歓迎会では馬鹿みたいに酒を飲もうと決めていたのだった。
「おい、金城、俺の酒が飲めないのか?飲めよ」
お酒を強要してくる先輩に
「ラジャー」
勧めらるままに飲んでいたのだが
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