━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
高野孟のTHE JOURNAL Vol.560 2022.8.1
※毎週月曜日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《目次》
【1】《FROM THE EDITOR》
BSフジ「植野食堂」の楽しみ
【2】《INSIDER No.1166》
参院選結果と今後の政治/『マスコミ市民』8月号高野
インタビューより
【3】《FLASH No.463》
TPPは安倍元首相の外交的功績か、大迷走の残骸か/日
刊ゲンダイ7月28日付「永田町の裏を読む」から転載
【4】《FLASH No.464》
退院その後(8)ーーコレステロールの受難
■■INSIDER No.1165 22/08/01 ■■■■■■■■■
参院選結果と今後の政治/『マスコミ市民』8月号高野
インタビューより
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
月刊誌『マスコミ市民』の8月1日発売の8月号で参
院選結果が出た直後に行われたインタビューが掲載され
たので、内容的には本誌No.1163と重なるところもある
が、ここで紹介する。
☆ ☆
自民党は単独で改選過半数を確保し、立憲民主党や共
産党などの野党は大きく議席を減らした。その中で、維
新が議席を伸ばし右派の新興政党も登場するなど、新た
な現象も見られた。自民党の勝利イコール岸田政権の支
持・承認なのか、憲法改正の声は推進力を増していくの
か、安倍元首相が死去したことも含めて今後の政局の動
きが注目される。今回の参議院選挙の結果と野党第一党
の政治姿勢を中心に、高野孟さんにお話を伺った。聞き
手は本誌の石塚壮一編集長。
■何とはなしの不安感による何とはなしの安定志向
――マスコミでは「自民圧勝、改憲勢力が3分の2を確
保」という見出しが躍った今回の参議院選挙でしたが、
高野さんはどうご覧になりましたか。
高野 今回の選挙は、自民が大勝して、野党、とりわけ
野党第一党の立憲民主党が惨敗という結果でしたが、最
近の選挙は毎回何を争っているのかよくわからないま
ま、結局自民党が勝ってしまうということが続いていま
す。今回に関して言うと、ウクライナの戦争が大きく影
を落として国民の間に何とはなしの不安感があり、しか
もその不安感を意図的に利用して煽るようなところがあ
りました。ウクライナの戦況を利用して全世界的な世論
操作が行われた中で、「ウクライナ支援、ロシア憎し」
という方向に持っていくプロパガンダは、日本も例外で
はありませんでした。ロシアに対する非常に激しい敵意
と憎悪、その裏返しとしてウクライナ国民が可哀想だと
いう同情がものすごく増幅され、さらにウクライナの戦
争で作られた心理構造をそのまま東の方に移動させ、
「中国は怖い」「台湾有事近し」「尖閣が取られるぞ」
という意識が作られていきました。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)