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韓国は「台湾有事」に無関心、中国だけを見ている「グローバル・コリア」の落し穴

勝又壽良の経済時評
  • 2022/08/04
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台湾有事の認識ゼロ 中国が最大の被害国 台湾侵攻5つの難題 失敗すれば習氏辞任 8月2日深夜、米下院議長ペロシ氏が訪台した。韓国は、この問題がもたらす国際的波及についてどこまで深く認識しているか疑問である。台湾問題は、韓国と直接の関わりがないと見ている進歩派(民族主義)が多いからだ。これが、「グローバル・コリア」の実態である。 中国の台湾侵攻問題は、米中対立の「原点」である。それは、台湾の民主主義の芽が摘まれるかどうか、という危険性を孕む深刻な問題だ。この視点で朝鮮半島を眺めれば、38度線で対峙する南北朝鮮問題も、台湾侵攻と決して無関係でないことが分る筈である。韓国には、そういう危機意識が極めて希薄である。中国と誼を通じていれば、中国が北朝鮮の暴走を食止めてくれる、と根拠のない期待を寄せているのである。この見方は、韓国進歩派に強く見られる。文前大統領は、その象徴的人物だ。 北朝鮮軍は朝鮮戦争を始めた後に、中国が義勇軍を送って参戦した。旧ソ連は、武器弾薬の支援を行なった。結局、朝鮮戦争には旧ソ連と中国が関わったのである。現代風に言えば、「中朝ロ」が結束して侵略を働いたのである。 台湾有事の認識ゼロ 韓国進歩派は、今でもこの中朝ロを恐れている。安全保障政策に基づいて、「正しく恐れる」のではなく、卑屈な形で「慈悲を乞う」スタイルだ。こうして、韓国の安全保障問題は、米中の間で揺れている。中国へ「媚びを売れば」、何とか穏便に収めてくれるだろうという二股姿勢が、見え隠れしているのだ。 韓国進歩派は、台湾紛争が米中戦争の発火点になるという危機感を持っていない。ましてや、それが「朝鮮有事」に波及するとの認識はゼロである。「中朝ロ」は現実に、世界秩序への挑戦姿勢を明確にしているにも関わらず、だ。 世界的な常識で言えば、進歩派とはリベラリズムを指す。韓国進歩派は前述の通り、民族主義を基盤にしている。韓国は、国家保安法で事実上、共産主義を禁じているのでやむなく「進歩派」を名乗っているに過ぎない。こういう本質的限界から、韓国進歩派は「中朝ロ」への親近感が極めて強い。これが、「台湾有事」への危機感を薄めている理由であろう。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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