市場は、今年4-6月期にアメリカのインフレはピークを打った
としているようです。
市場ではこの「インフレ・ピークアウト論(結局はスタグフレーシ
ョンは訪れない論)」がはびこっていて、実際の長期金利も低下し
ています。
金利先物市場も、「FRBは年内政策金利を3.40%あたりまで引
上げるものの、2023年にはインフレも2%台にまで落ち着い
てFRBはインフレ退治に成功、2023年半ばにはFRBは政策
金利の引き下げへと動ける」「アメリカ経済はソフトランディング
する」と、確信犯なのか?それともFRBをおちょくってからかっ
ているのか???間違った「超楽観の予測」をしています。
こうした「市場の超楽観論」のおかげで、アメリカ株式市場ではな
かなか激震が走りません。
先週末から今週にかけては、多くの連銀関係者達が入れ替わり立
ち替わり、「市場の超楽観論」に対して厳しい牽制発言を続けまし
たが、市場はこの連銀関係者たちの牽制にも全く動じませ
ん!!!
パウエルFRBにも否があります。
「アメリカ経済のソフトランディングは可能」といった「らくだ
を針の穴に通すくらい不可能なことを可能だ」と、「思わせぶりな
態度」を示し続けたりするから、マーケットがそれを逆手に取っ
ておちょくっているのです。もしかしたら、この「間違った楽観
論」は、市場がFRBに「できるものならやってみろ!!!」と意
地悪をしている、あるいは対決姿勢を示しているだけなのかも知
れません。
市場が「間違った楽観論」「FRBへの対決姿勢」で上昇していても、
「それはそれでFRBは市場を放っておけば良いのでは無いか?」
という考えをする人もいます。が、そういう人の考え方もまた間
違っているのです。
なぜならば、このまま株式市場や債券市場などの市場の上昇を放
置し続けると、資産効果が働いて人々の消費意欲がさらに旺盛に
なり過ぎて、インフレがさらに加速してしまいます。さらに、長期
金利などの金利が低下し過ぎて、FRBが意図する金融引き締めと
は真逆の「金融緩和効果」が働いてしまい、これまたインフレが加
速してしまいます。
結果、FRBは、この「市場の誤解」(あるいは「市場の対決姿勢」?)
のせいで、当初計画よりも大幅な政策金利の引き上げを行わなけ
ればならなくなります。すると、「FRBの利上げが経済をオーバー
キルしてハードランディングする可能性」がますます高まってき
てしまうのです。
かくして、パウエルFRBが将来のボラティリティーを嫌って「ソ
フトランディングは可能」と主張すればするほど、ますます
将来の市場のボラティリティー(乱高下)は高まってしまう
のです。
パウエルFRBは「市場との対話」に失敗してしまったのです。
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