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佐々木俊尚の未来地図レポート 2022.8.15 Vol.717
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http://www.pressa.jp/
【今週のコンテンツ】
特集
「老朽化する道路や橋のインフラ」を題材に、立体のイメージを構築してみる
〜〜〜世界観を「四次元化」していくという考え方(2)
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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特集
「老朽化する道路や橋のインフラ」を題材に、立体のイメージを構築してみる
〜〜〜世界観を「四次元化」していくという考え方(2)
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今年出したわたしの新著『読む力 最新スキル大全』を補足し、どのようにして世界観を構築していくのかを深掘りしていくシリーズの第2回です。
★『脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』
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前回、世界観を「立体」としてイメージすることが大切だということを解説しました。情報を体系化して自分の知肉にするというのは、ひとつひとつの情報を並べたうえで、それらの関係や道筋を、上空から鳥が見下ろすように俯瞰し、その位置関係とつながりを理解することです。立体的なふくらみのある情報の空間を、自分が手のひらの中に抱えているように認知することです。
『読む力』では「日本のインフラが急速に老朽化している」という例題を出して、世界観の獲得の方法を解説しました。今回はこの例題を、書籍で書いたのよりもさらに深く詳しく解説してみたいと思います。
まずグーグルで探索してみましょう。「インフラ 老朽化」とキーワード検索を行うと、検索結果に出てくるほとんどの記事が、老朽化を憂いて、深刻な日本の問題であることを書いています。どれも同じような視点なので、いくつか読むと飽きてきます。とはいえ知らない分野の情報なので、三~四本ぐらいはじっくり目を通したほうがいいでしょう。これによって基礎知識が身につきます。
ここで気をつけておきたいのは、グーグルの検索エンジンを盲信してしまわないことです。近年はグーグル検索の劣化がさかんに言われており、おかしなまとめサイトやインチキニュースサイトなどが検索結果の上位に来てしまうことが多々あります。わたし個人の記憶でも、2000年代まではグーグル検索は非常に万能だったのですが、2010年代に入ってだんだんと信用ならなくなってきたという印象があります。
これはコロナ禍などでも指摘されていましたが、とくに科学・医療などのサイエンス分野に問題が多く、専門家の書いた記事や論文よりも上位に、素人の書いたまとめ記事などが出てきてしまうことがよくありました。グーグル検索がニセ科学の広まる温床になってしまっていたのです。グーグルもこの問題は自覚していて、最近は検索結果がかなり改善されてきています。
とはいえわれわれユーザーの側としては、情報を検索する場合にはグーグルだけに頼らないという姿勢も大事です。Twitterで検索したり、自分が信頼しているメディアのサイト内検索なども並行して利用することをおすすめします。
予算に余裕があれば、富士通系列のジー・サーチという企業が提供している「新聞・雑誌記事横断検索」というウェブのサービスを使うのが良いでしょう。検索や記事の表示は有料ですが(しかもけっこう高い)、一般紙だけでなく、日経ビジネス・週刊ダイヤモンド・週刊東洋経済などの著名経済誌や、日刊工業新聞・繊研新聞・電気新聞・日本農業新聞などの専門紙をそれぞれ指定して検索できます。
私はなにかのテーマについて深く調べたいときには、必ずこのジー・サーチを利用しています。通信サービスのニフティからも利用できるので、私はニフティのアカウントを取得してそちらからログインして使っています。
★新聞・雑誌記事横断検索
https://business.nifty.com/gsh/RXCN/
さて、そうやって横断的に記事をずっと読んでいると、違う視点の記事も目に入ってきます。グーグル検索だと、検索結果の最初のページには出てこないけれども、2ページ目か3ページ目ぐらいに違う視点の記事が登場してくることもあるので注意したほうがいいでしょう。
先ほどの「老朽化インフラ」の話は全体にネガティブな見出しが多いのですが、そこに唐突にポジティブな見出しのものも入ってくることがあります。そこだけピカリと光って見えるのです。たとえばこういう見出しがそうです。
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