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週刊金融日記 第535号 来たるべき不況に備えよ、勉強のやる気スイッチ

藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」
// 週刊金融日記 // 2022年8月15日 第535号 // 来たるべき不況に備えよ // 米CPI下振れでナスダック大幅上昇 // 香港で100年以上続くレストランがクローズしてしまいました // 勉強のやる気スイッチ // 他  こんにちは。藤沢数希です。  日本も香港もコロナ感染者数がかつてないほど増えていますが、香港は割と平常運転です。今年の春の一回の爆発で死にやすい人は概ね死んで、その後に大急ぎでめちゃくちゃワクチン打ちまくったので、いまは医療崩壊という感じではなく、周りを見てみても、特に気にしている人はいないようです。  僕は医学クラスタをTwitterでフォローしているので、救急病院などで働いている日本のお医者さん方は、大変、大変、と言っていますし、死者数もだいたい1日250人ペースで過去最高レベルですが、日本の方も、だいぶ国民が慣れたようで、一般人はそんなに騒いでいないように思います。やはり、何でも慣れですね。 ●“救急医療崩壊” 重症患者受け入れ 13医療機関が対策要請 https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20220815/2010015197.html ●「かなり深刻な医療崩壊の状況が来ている」新型コロナ 厳しさ増す医療現場の現状国内 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/122979  コロナ禍でWFH(Work From Home)が増えたり、わざわざ高い学費を払って東京の大学に来てもオンライン授業だったり、といろいろな理由があるのでしょうが、じつに26年ぶりに東京の人口が減少に転じました。少子化で、日本はどこも人口が減っているのですが、それでも減り方が減った県については、記事を読むと、「地方は自然減に人口流出が重なり、一段と厳しい。青森・岩手・秋田の北東北3県は1%を超える人口減が続いた。人口の減少率が前年より縮小したのは山梨、宮崎、熊本、鹿児島の4県だけだ」と書いてありました。  これは、第507号で書いた、オススメ県の条件と重なりますね。新幹線ののぞみが止まったり、LCCが頻繁に飛んだりしている地方は、もうなんかぜんぜん地方じゃないんですよね。 ●1都3県初の人口減、東京へ流入鈍る コロナで意識変化 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA089K00Y2A800C2000000/ 『週刊金融日記 第507号 もう北海道や沖縄や福岡は古い!オススメ国内移住先候補』  前述のように、僕は医学クラスタをフォローしているので、コロナ禍の様子などはリアルタイムで把握しているのですが、この医学クラスタにとんでもなく嫌われていたのが近藤誠医師です。なぜ嫌われているかというと、がんなど手術しなくていい、とかそういうとんでも本を書きまくり(そして、売れまくっています)、実際に、そういう本にすがって標準医療をやめてしまった多くの患者が治せたがんで死んだわけですし、現代医療の標準的な治療を拒んで手遅れになったあとに病院に駆け込んできたりするわけで、まともな医師たちにめちゃくちゃ嫌われていたのも無理もありません。さて、この近藤誠医師が亡くなったそうです。ご冥福をお祈りします。  この近藤氏は名門の慶応大学医学部を卒業した、元々はかなり立派な医師で、最新の医学研究にも明るかったようです。実際に、近藤氏の本を僕も何冊か読んだのでうが、けっこう正しいことを言っています。特にがん検診などについては、僕が自ら人間ドックなどを検討した際に調べてわかった、いまでは標準的な考え方となっていることをちゃんと言っています。昔は、がんやがんと思わしものを見つけたらとにかく切除する、という考えが日本の外科医の間ではふつうだったらしく、いやいやそれは違う、と実際に米国などの研究で明らかになったことを主張していて、大変にまともな方で、むしろ昔の日本の外科医たちの当時の常識のほうが間違っていたのですが、これで日本の医学界が、本当は正しいことを言っていた近藤氏を総攻撃して、近藤氏は徐々に日本の医学界と対峙するようになってしまい、最後は闇落ちしてしまったようです。そういうことが、感染症対策の専門家である神戸大学医学部教授の岩田健太郎氏のブログに書いてありました。  なるほど、日本の医学界が自ら怪物を作り出してしまったのですね。 ●医師の近藤誠さん死去、73歳 「患者よ、がんと闘うな」著者 https://www.jiji.com/jc/article?k=2022081500355 ●近藤誠氏との対峙の仕方、岩田健太郎、2017年11月9日 https://bit.ly/2A9PUVg 『週刊金融日記 第382号 がん検診は意外と有害だった』  日経新聞に、いまや日本の大学の入学者数の半数以上がAOや推薦入試で、一点刻みで合否を争う偏差値教育の時代は終わった、などという記事が出ていました。しかし、AOや推薦が増えたのは中堅以下の私大で、都内では中学受験地獄ですし、まあ、実体は違うし、偏差値教育ぜんぜん終わってないがな、というのが率直なところですね。 ★東大、京大、一橋、東工大、あとは国立大学の医学部なんて、まだほとんどぜんぶが昔からずっと続いているペーパーテストによる戦いなわけで、ここが変わらないことには日本の教育産業が変わるわけもなく、まあ、個人的には、これはこれで階層移動が世界の先進国の中でも最も起きやすい仕組みなので、ぜんぜん悪くないかな、と思っております。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1559107737858211840 ●大学入試、偏差値時代終幕の足音 推薦・総合型が過半に https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE243J00U2A720C2000000/ 『週刊金融日記 第458号 東京の中学受験は割に合わないゲームになっている』  今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。 - 渋谷で遊び呆けていた女子高生だった自分が現役で早稲田文系上位学部に合格したときの勉強やる気スイッチについて - 被曝リスクを理由に会社の健康診断の胸部X線検査は拒否できるでしょうか - 感情のコントロール方法をご教示ください - 年収1000万円強会社員ですが同じ部署のセフレを妊娠させてしまいましたが本命と結婚しみんな幸せです  それでは今週もよろしくお願いします。 1.来たるべき不況に備えよ  株式市場は、米国のCPI(消費者物価指数)さえピークアウトしてくれたらすべてが解決するかのように振る舞っており、これが8月は+8.7%のインフレを予想していたところ、+8.5%だったので、とても安堵し、楽観的なムードに包まれております。まあ、しかし、冷静に考えると、次の1、2年は、日本も世界もマクロ経済的には、景気が悪くなって、苦しい展開となりそうなものしか見当たりません。 『週刊金融日記 第529号 金融関係者たちの手のひら返しっぷりにワロタ』  まあ、僕はコロナバブルを過小評価して、ちょうど香港引っ越しの際の出国税関係で、持っている株をぜんぶ売ってしまった(税金を払った)、という不運もあったのですが、コロナバブル見逃し三振したわけで、毎回マクロ経済予想が当たるというわけでありませんが、ここから経済が良くなる理由はさすがにないんじゃないか、次の1、2年、ひょっとしたら3年以上になるかもしれませんが、不景気な世の中になるだろうな、と思っております。  まず、何と言っても、このコロナバブルを引き起こした米国FRBの量的緩和の逆回転が始まります。僕はこの量的緩和を甘く見て、コロナバブルに乗れなかったわけですが、逆に、いまCPIが0.2%下ブレたぐらいで急に楽観的になっている人たちは、この量的引き締めを甘く見ているのではないか、と。

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