「権力の空白について」
権力の空白という問題に関しては、現代においても様々な形で
見られるように思います。
ここまでの議論で扱った天皇の問題ということもありますが、その他にも
官僚制の問題は、戦後77年その位置付けは全く変わっていません。
それはともかく、現代においては、統治ということ、あるいは行政という
ことが機能しなくなってきている、そんなケースが多く見られるように思い
ます。
1つは新型コロナへの対応です。この2年半に、何度も大きな「波」を経
験しており、その度に「医療従事者が足りない」「通常診療ができない」
「自宅療養での急速な憎悪のケースが救命できない」といった問題を繰り返
している訳です。
様々な現場のルールを柔軟化すること、それ以前に全国統一の簡素で強力
なオンラインシステムで、患者とサービスをマッチングすること、ワクチン
副反応時の休養を義務付けそのコストを国費で負担することなど、2年半も
あればいくらでも出来たはずです。ですが、政府は対応ができなかったし、
しなかった訳です。
しかも野党は、一時期「ゼロコロナ」とか「サービス業は完全休業して補
償」「完全鎖国」といった無謀な主張をしていたかと思うと、現在の状況に
対しては有効な代案の提案ができていません。では、厚労省はどうかという
と、緊急性のある変更については、対応が極めて遅い訳です。
例えばですが、厚労相に加藤勝信氏という人事については、コロナ初期に
厚労省として「あまりにも組織防衛的で内容空疎」な答弁しかできない姿勢
が、全く機能しなかったのが記憶に新しいところですが、今回も同じ方法論
で時間稼ぎをするつもりなのか、とにかく政治にも官僚機構にも統治の意欲
というものが感じられないのです。
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