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第265号:ぼくが「自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)」の理事をしていたわけ

田中優の‘持続する志’(有料・活動支援版)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『 田中優の未来レポート 』 第265号/2022.8.15 http://www.mag2.com/m/0001363131.html ※ 有料メルマガにつき、全文の転送転載はご遠慮ください 一部転載は大歓迎です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ぼくが「自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)」の理事をしていたわけ ホームページを見ると、 「当会は、1992 年の「国連環境開発会議(リオサミット)」を契機に高まった市民団体と企業のパートナーシップを背景に、1997 年 4 月、環境 NGO である「市民フォーラム 2001」と「東京電力株式会社」とが、エネルギー問題について広く考え、行動していくために、双方の協働=コラボレートにより設立された」 とある。 ぼくはこの市民フォーラム2001の共同代表の一人となっていて、ここに関わっていた。というのはぼく自身、もともと反原発で、かなり強硬に「脱原発」を主張していたからだ。 あるとき、その「市民フォーラム2001」の運営委員会にこのコラボレーションの企画の提案があり、「東京電力」と共同して自然エネルギーの推進をしてみたいとのことだった。しかしぼく自身にとっては親の仇のごとく嫌っている「東京電力」との共同企画であり、当然のように団体としてその企画を許す気にはならなかった。しかし企画は原発に関しての立場は異なったままでも、自然エネルギーに対してのみの共同研究を行うというものだった。それでもぼくは市民運動が東京電力と共同研究すること自体に反対だった。 そこで東京電力が地域住民に謝罪すべきだと主張していた。しかし東京電力という巨大企業とコラボする機会は他になく、そのような機会を持つことを推進した「勝又恒久」という役員は柔軟な考えを持つ人だからと聞き、珍しい機会だと言われた。それでもぼくは強硬に反対し続けた。「それならば田中さん自身がそこに入って主張すれいい」と言われ、ぼくは反対しきれなくなって「市民フォーラム2001」の共同代表の一人として関わることとなった。 この「勝又恒久」こそ、その後の東京電力の会長だ。福島第一原発事故の際の会長であり、東電内で「御前会議」と呼ばれた会議の圧倒的な権力者だった。 コラボした当時は、「カミソリ勝又」の異名を取り、有力人脈一族の一人であり、「切れ者」として有名だった。その会議に初めて参加した時、ぼくはすでに原発の放射能の被害があったことから、「東電は謝罪すべきだ」と主張した。しかし勝又氏は「それは見解の相違だ」として取り合わなかった。放射能の中でもとりわけ内部被曝については複雑で、電力会社としては決して認めようとしない一線だった。そのことは今も同じかそれ以上に悪く、私から見るとその「無知蒙昧さ」は今に至る現実の被害を生んでいるのだと思う。 しかし現実には福島原発事故は起こり、多数の数知れない被害者を生み出した。 これに対して東京地方裁判所は、7月13日に画期的な有罪判決を下した。 すでにこの有料メルマガで述べたように、「貞観地震」をきちんと検証していれば、予測できた震災であり津波であり、それを敢えて無視していた当時の勝又会長などの責任だった。 この東電の個人株主48人が起こした株主代表訴訟の判決は、「原発事故を防ぐための対策を怠ったとして、勝俣恒久元会長ら東京電力の旧経営陣4人に対して総額13兆3210億円の支払いを命じる判決」を言い渡した。個人でこの天文学的な賠償額を払うよう命じたのだ。これは史上初の天文学的賠償額を命ずる判決だった。 判決曰く「旧経営陣は全電源喪失に直結する津波の襲来を予見できたのにもかかわらず対策を怠り、炉心溶融事故を招いたとして東電に対する旧経営陣の損害賠償義務」を認定した。

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  • 環境活動家、田中優(たなかゆう)の有料・活動支援版メルマガです。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などのさまざまなNGO活動に関わり、日本で初めてのNPOバンクを作りました。経験と知識と綿密なデータを基に、独自の視点で生み出した社会の新しい仕組みづくりのヒントや国内外を取材したお話をご紹介します。頂いた購読料の一部を、次の社会を作るための活動資金にさせて頂きます。 ★まぐまぐ大賞2017 専門情報部門にて【第1位】 ★まぐまぐ大賞2018 専門情報部門にて【第2位】 ★まぐまぐ大賞2019 専門情報部門にて【第3位】 を頂きました!
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