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第179号 自浄能力ゼロの自民党は腐ったミカン/冷製と超熱のあいだ/芭蕉の朝顔/夏休みの工作

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  • 2022/08/17
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「自浄能力ゼロの自民党は腐ったミカン」 参院選の最中に安倍晋三元首相が銃撃されるという衝撃的な事件によって、皮肉にも自民党とカルト教団「旧統一教会」との長年にわたるズブズブの癒着の実態が白日の下に晒されることとなりました。連日のように旧統一教会と関係している自民党議員が発覚し、中にはひらき直りとも取れる対応をする議員や、ノーコメントで逃亡する議員まで現われました。 その結果、事件から1カ月後の共同通信社の世論調査では、岸田内閣の支持率は前回調査より12.2ポイントも急落してしまいました。参院選で大勝したのですから、普通、内閣支持率は上昇します。それが大幅な下落ですから、この問題に対する国民の不信感の大きさがうかがえます。事実「あくまでも議員個人個人の問題」として、党としての調査を拒否した岸田首相の対応については、すべての世論調査で9割前後が「不適切」「説明不足」と回答しています。 しかし、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党などの野党からも、旧統一教会と関係していた議員が出ているため、野党も正面から自民党を批判することができません。たとえば、関係していた議員が1人もいない清廉潔白な日本共産党やれいわ新選組や社民党なども、あまり強く自民党を批判してしまうと、それは立憲民主党への攻撃にもなってしまうからです。 それでも、野党からの攻撃を恐れた岸田首相は、国民にとって死活問題とも言える重要な問題が山積の中、臨時国会をわずか3日間で閉会するという「国民のことなど二の次、自らの保身が最優先」という自民党らしい作戦に出ました。そして、その第2弾として、9月に予定していた内閣改造を1カ月も前倒しして、8月10日に強行しました。今回の問題では、閣僚の中にも旧統一教会と関係していた自民党議員が7人もいたので、この辺を整理整頓して内閣のイメージを一新するとともに、秋の臨時国会で野党から追及されにくくすることが目的でした。 それなのに、嗚呼それなのに、それなのに‥‥と、五七五の俳句調で嘆いてしまいますが、岸田首相が必死に調整した組閣でも、高市早苗、林芳正、寺田稔、加藤勝信、西村明宏、岡田直樹、山際大志郎と、旧統一教会と関係ある自民党議員を7人も入閣させてしまったのです。改造前も改造後も旧統一教会と関係ある閣僚の人数が変わらないのなら、何のための改造だったのか、まったく意味が分かりません。 その上、この問題を長年調べて来たフリージャーナリストの鈴木エイト氏が、改造内閣発表の前日の8月9日に、旧統一教会の広島教区三原教会の教会長や東広島教区の伝道教育部長を歴任して来た教団幹部、光永一也氏と岸田首相とのツーショット写真をツイッターに公開したのです。つまり、岸田首相自身も旧統一教会と関係していたわけで、岸田首相本人も入れれば、現在の改造内閣には8人も旧統一教会の広告塔がいることになります。 そのため、内閣改造直後の各社の世論調査では、内閣支持率は軒並みダウンしてしまいました。内閣支持率の急落に焦り、何とか食い止めるために内閣改造を前倒ししたのに、その結果、さらにダウンさせてしまうなんて、あまりにも間抜け過ぎます。そして、続いて発表された副大臣と政務官では、計54人のうち旧統一教会と関係ある自民党議員が、この原稿を書いている8月15日の時点で、すでに21人も発覚しています。この人数は、日々、増え続けているので、最終的には計54人の半数を超えると予想されています。 国家の中枢である内閣の大臣と副大臣、そして政務官のうち約半数が、悪質極まりないカルト教団と関係があるなんて、まるで悪い冗談のようです。それも、これは、旧統一教会との癒着が問題視され、そのイメージを一新するための組閣なのですよ。それなのに約半数が広告塔って、この自浄能力の無さ、もはや自民党は完全に終わっています。これではまるで、火事を消すために消火剤を掛けたつもりが、間違えてガソリンを掛けちゃったみたいな話じゃないですか。 でもこれって、仕方がないことなのです。何故なら、この約10年間のアベ・スガ・キシダ政権下で、旧統一教会と関係を持つ自民党議員が急増したため、誰を選んでも約半数は自動的に旧統一教会と関係を持つ議員になってしまうからです。

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