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第707回 ロシアの欧米との完全決別宣言、プレヤーレンの最新コンタクト記録
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▼今回の記事
今回はメインテーマとして、ロシアによる欧米との完全な決別宣言のようなものを紹介する。これはプーチンの思想的なブレーンであるアレキサンドル・ドゥーギンが盛んに発言している内容だが、日本ではほとんど知られていない。
最後に、プレヤーレンの第816回コンタクトの記録を紹介する。気になる警告がある。
▼ロシアの欧米との決別宣言か?ドゥーギンの思想
それでは早速今回のメインテーマを書く。プーチンの思想的なブレーンであるアレキサンドル・ドゥーギンによる欧米との決別宣言を紹介する。これはプーチンに思想的な骨子になっている可能性が高い。
8月9日、ロシアが併合したクリミアにあるロシア軍に空軍基地が攻撃された。また17日には、クリミア北東部にあるロシア軍の弾薬庫が爆発した。近くの変電所も爆発し、近隣の3000人の住民が影響を受けている。両方ともクリミアの奪還を宣言したウクライナの攻撃だと見られている。
一方、ウクライナ戦争の全体的な戦況に大きな変化はない。ウクライナは南部ヘルソン州の奪還を目指し総攻撃すると宣言しているものの、ウクライナの攻撃は失速し、ロシア軍を押し返せすまでには至っていない。また東部ドンバス地方では、戦線が膠着しながらも、ロシア軍は時間をかけながら、少しずつ占領地域を広げている。
アジア全域のニュースを伝えるニュースサイト、「アジア・タイムス」が複数のシンクタンクの分析を総合した最近の戦況分析でもこの状況が分かる。8月15日の分析が公開されている最新のものだが、この状況はいまも基本的に変わっていない。以下である。
「評価
ウクライナの高官が、先週のクリミアの飛行場での爆発について、ウクライナの待望の攻勢開始を意味するのではないかという質問に対して、記者に "そうだと言っていい "と述べた。
NATO加盟国の軍事情報報告書は、「ウクライナの当局者の発言は真実味がない」と指摘している。むしろ、ウクライナ人がロシア人より先に限界に達しているようだ。ほとんどの西側メディアや一部の西側政府・情報機関の楽観的な予測はともかくとして。
この戦争は、あらゆる面で、消耗戦になっている。また、ロシアは人員と火力の両方の供給ニーズを満たしているように見える。大量の新型攻撃兵器とそれを操る訓練された部隊の投入がなければ、ウクライナ側が限定的にでも勝利することは難しいだろう。旗艦モスクワの沈没やクリミアにある軍飛行場の破壊のような派手な打撃が数回あったとしても、現在の潮流を変えることはできないだろう。」
このような状況が続くと、第703回の記事で書いたように、ロシアで議会選挙が行われる9月11日頃にルガンスク、ドネツク、サボリージャ、ヘルソンの4州で国民投票を実施し、これらの州をロシアに併合する可能性も高くなる。プーチンは併合後、ウクライナとNATOに、改めて停戦に向けた政治交渉を提案すると見られるが、ウクライナとNATOはこれを受け入れることは考えられない。プーチンは、ウクライナの主権の剥奪という、戦争の新たな目標を設定し、戦争は継続する可能性が高いと見られている。
そうしたなか、米バイデン政権やインフレに苦しむEU諸国内にも、ウクライナ戦争を決着させるためにはロシアとの政治的な対話が必要だという声も次第に強くなってきている。
万が一、対話が可能になった場合、どこを落としどころにするのかが大きなポイントになる。ウクライナにおけるロシアの占領地域の併合を認めると、アメリカ主導の既存の世界秩序の変更を認めることになる。欧米はこれを受け入れるわけには行かない。一方、ロシアが併合した領土を返還し、ウクライナ戦争以前の状態に復帰することも考えられない。落としどころはまったく見えない。
そうした状況で、プーチンはなにを基本的な目標にしているかがいま問われている。ウクライナ戦争後もプーチンはロシアの目標を明確には示していないので、様々なな憶測が西側のメディアでは飛び交っている。
●プーチンの思想的なブレーン、ドゥーギン
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