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松尾スズキの【のっぴきならない日常】vol.527(2/2)

松尾スズキの、のっぴきならない日常
_________________________ / 2022年8月19日発行 /Vol.527(2/2) _________________________ 「人生に座右の銘はいらない」 読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします! Q.話題の文芸系の本を読みたいし、仕事で読まなきゃいけない本もあるのに、本を読むのが大の苦手です。いつも読んでいる途中で放置してしまい、時間をおいて読むと、それまでの内容をすっかり忘れていて読む気が失せてしまいます。あ、松尾さんの本は最後まで読むことができます! 松尾さんは資料でもたくさんの本をお読みになると思うのですが、読み切るコツや早く内容を把握するコツなど、あれば教えてください!(29歳、男性、会社員) A.いや、わたしも本を読むのがじゃっかん苦手です。作家なのに、本を読むスピードがすごく遅くて参ります。最後まで読めない本も、まあ多い。だから、コツを聞かれてもお教えできないのが残念です。井上ひさし先生だったかしら、とりあえず最後のほうを読め、作家の言いたいことは最後のほうに集約されいている、とか言ってましたけど、文章を書く身としては、最後のほうをどう読ませるかというのを文章の始まりから仕掛けていっているわけだから、そういう読み方をしてほしくはない。 だから井上先生は、書く自分と、読む自分を完全に分けてらっしゃったんでしょうね。芸談、に関する本だけは、いつまでも読んでいられるのです。たとえば、この前のショーケンの本は、やたら分厚いのに2日で読んでしまいましたし、今読んでいる三木のり平の本もしかりです。コメディアン、落語家、俳優、本気で好きな芸の本は、それを咀嚼する引き出しが予め自分の身体の中にあるから早いのでしょうね。それで言うと、太宰治はどうも性に合わないようです。

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  • 有名役者がひしめく「大人計画」を主宰し、芥川賞候補の作家、岸田國士戯曲賞受賞の演出家、現代日本を代表する怪優など、才能が溢れすぎて困っているのに、謙虚な佇まいが魅力的すぎる松尾スズキ。そんな彼のメルマガは、日記、質問&人生相談(もちろん本人が答えます)など読み応えタップリ! これだけのボリュームで月々たったの500円!!
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