パウエルFRB儀長を始め、連銀関係者は決して認めませんが、ア
メリカ国内のマネーサプライの量は減少していません。
パウエルFRBは目下の所インフレをコントロールできていないの
です。今後アメリカ国内の高インフレはしぶとく居座り続けて、
FRBは今後とも利上げを継続しなければなりません。
これは「厳しい現実」です。
ところが、8月の内外の株式市場は不可解なほど楽観的な動きを
続けています。
パウエルFRB議長を始め、多くの連銀関係者達がこういった「市
場の楽観」を警戒して強く市場を牽制し続けているにもかかわら
ず、多くの市場関係者たちは「アメリカのインフレはピークアウ
トした」「今後インフレは下がる」「来年にはFRBは利下げへ転じ
る」と、「間違った思い込みによる楽観的な賭け」を続けています。
8月10日発表の「アメリカの7月の消費者物価指数(CPI」」は
市場予想を若干下回りました。引続きアメリカ国内の高インフレ
はしぶとく高止まりを続けていますが、この日のCPI統計の「想
定外の低さ」は、市場の「インフレ・ピークアウト論」者達の「間
違った思い込み」をますます勇気づけてしまいました
こういった「市場の間違った思い込み」のせいで、FRBの引き締
めの意図とは正反対に、市場では株高による資産効果と長期金利
低下による金融緩和効果が働いてしまっています。これでは、景
気が上向いて高インフレがさらに加速してしまう危険性が高まり
ます。FRBが高インフレ退治のために引き締めを続けているにも
かかわらず、です。
パウエルFRBは「市場との対話」に失敗してしまったのです。
しかも、8月の内外のマーケットは、第一線で働くプロ中のプロ
達は長い夏期休暇に入っています。8月のマーケットは、薄商い
の中で「思いもかけない動き」をしたりするものです。
9月にはいよいよ新年度を迎えます。8月下旬にはパウエルFRB
議長が恒例のジャクソンホールで講演を行います。8月26日の
講演では、パウエル議長の「堪忍袋の緒」が切れて、議長は「市場
の楽観論」を蹴散らすような「タカ派発言」を発するかもです。
S&P500のPERは、6月底値の16.4倍から今では18.2
倍にまで上昇。「議長のタカ派発言」などの「引き金」が引かれ
なくても、そろそろ市場はいつ大幅下落が始まっても不思議では
ない状態です。
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