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【痛くない死に方 2022年第33号】病気になった人を責めるくらいなら医者を辞めろ~これは暴言?正論?

長尾和宏の「痛くない死に方」
  • 2022/08/19
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2022年 第 33号 【長尾和宏の「痛くない死に方」】 長尾和宏です。台風の影響で数日間続いた東北の豪雨災害。東北にお住まい の皆様、東北に御身内がいる皆様、心身ともにお疲れのことでしょう。 秋田県大館市では、1万5千羽以上の比内地鶏が流されたといいます。 秋の収穫を待っていた大豆や米、りんごや梨にも甚大な被害が出ているよう です。日々休むことなく、収穫に向けて大切に大切に育てていたものが一夜 にして無になってしまう悔しさは、医者には計り知れません。 毎年この季節になるとどこかの農家さんが雨や嵐で大きな被害を出したとい うニュースが流れるも、一方で、小麦や野菜が高すぎる! 生活をどうする! という放送。しばし絶句します。せっかく被害にあった農家さんに取材に行 ったのであれば、落ちてしまったり傷のついた野菜を通販で売れるような企画 を作ればいいのになと毎年思います。 いつから日々の報道は、こんなに日和見的になってしまったのでしょうか。 今週一番それを感じたのは、徳島の阿波踊りのニュース。 報道する阿呆に煽る阿呆…。 以下は先週、8月12日(金)の朝日新聞の報道。 <徳島市の阿波踊りが12日開幕した。新型コロナウイルスの感染拡大による 中止や規模縮小が続いていたが、3年ぶりの本格開催となった。 待ちかねた踊り手たちが太鼓やかね、笛によるおはやしに合わせ、市内4カ所 の演舞場などで流れるような女踊りや勇壮な男踊りを披露。「総踊り」で初日 のフィナーレを飾った> 3年ぶりの夏祭り。大いに踊れ踊れ、踊らにゃソンソン。ニュースを見ていて 僕も嬉しくなった。徳島は、僕が生まれた香川のお隣の県。講演会でも、何度 も呼ばれている。徳島は、とても穏やかで優しい人が多い。そして、阿波踊り を市民の誰もがとても大切にしている。お盆に行われる阿波踊りは、「あの世」 と「この世」のコラボレーション。この世にやってきた精霊をあの世に送り返す。 秋田の西馬音内盆踊り、岐阜の郡上踊りとともに、「日本三大盆踊り」の一つで、 400年もの歴史をもつ伝統行事だ。「盆踊り」は昔、「念仏踊り」と言われて いたという。始まりは、鎌倉時代。一遍上人は全国行脚しながら、土地土地の 人が念仏を唱えながら踊る「踊り念仏」を世に広めることに一生を捧げたとか。 それが一番長く続き、全国的に名前を轟かせているのが「阿波踊り」である。 徳島の人々の誇りである。さらには大きな観光収入でもある。 3年振りの本格開催に、皆さんの心はどれほど躍ったことか。 ……しかし一週間後に、こんなニュースが流れた。 以下は、8月19日(金)の毎日新聞の報道。 <徳島市で12~15日に開催された阿波踊りで約30ある有名連(踊りグループ) のうち出演した一つで、25人が新型コロナウイルスに感染したことが19日、 判明した。関係者によると開催中の14日、参加していた約50人のうち踊り手

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