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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 139
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、網紅都市となった重慶市についてご紹介します。
重慶市は中国の若い世代が「ぜひ行ってみたい都市」の上位に挙げる都市です。長江沿いの急峻な崖に都市ができているため、坂が多く、複雑な構造を持った都市になっています。これが「8D魔幻都市」と呼ばれるようになり、多くの若者が面白がって旅行にやってきます。
しかし、重慶が人気になったのは2018年のことで、意外に最近です。重慶を代表する観光スポットである洪崖洞も2018年までは、あまり人気のない商業施設で、赤字続きでした。
それが最後の賭けとして、ド派手な電飾をしてみたところ、SNSなどで紹介され、夜景を撮影する人がやってくるようになり、さらに「千と千尋の神隠し」の舞台になったのではないかとも言われて、急に大勢の人が押し寄せるようになりました。
このような人たちの目的は、自分も写真を撮ってSNSにアップするのが目的です。彼ら彼女らは洪崖洞に飽きたらず、重慶市内を歩き回って、さらに映える場所を探します。
すると、出るわ、出るわ、重慶の立地の特殊事情もあって、若者が面白がる撮影スポットがたくさん発掘されて、今では、1日では回れないほどの撮影スポットが生まれています。
重慶市は、洪崖洞の電飾をきっかけに、連鎖反応が起き、街中が撮影スポットになり、観光都市として有名な存在になりました。
日本も中国もいい加減、コロナ禍が終わって、再び自由に行き来できるようになってほしいものです。そうなれば、再び、中国人のインバウンド旅行客がやってくるようになります。その時、彼らはどのような情報に基づいてやってくるのか。私たちが重慶の成功例に学ぶことは多いと思います。
今回は、インバウンド客を再獲得するために何をしておくべきか。重慶市の成功例に学びます。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 139
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▼目次▼
網紅式旅行で成功した重慶市。インバウンド旅行客再獲得のためにやっておくべきことを重慶に学ぶ
小米物語その58
アリババ物語その58
今週の「中華IT最新事情」
Q&Aコーナー
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網紅式旅行で成功した重慶市。
インバウンド旅行客再獲得のためにやっておくべきことを重慶に学ぶ
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今回は、観光都市としての町おこしに成功した重慶市についてご紹介します。
今、中国人の、特に若い世代に「中国の中で行ってみたい都市は?」と尋ねると、必ず重慶が上位に挙がってきます。後ほど紹介しますが、重慶は「8D魔幻都市」と呼ばれ、サイバーパンク人気なども手伝って、一度は行ってみたい都市になっているのです。
しかし、この人気が出たのは、2018年以降のことです。2018年に突如として重慶がクローズアップされ、人気の観光都市となりました。ショートムービー「抖音」を見ていると、重慶からのライブ中継をしている人も多く、それを見ていると、平日であってもすごい人出です。マスクをしている人はまだまだ多いですが、人数だけを見れば、完全に重慶の観光は復活をしています。
しかし、中国すべての観光が復活しているわけではありません。重慶のように完全復活をしているところもあれば、まったく復活の兆しが見えずに苦しんでいる地域もあります。
このメルマガをお読みくださっている読者の中にも観光関係者の方がいらっしゃるかもしれません。日本の観光の復活度合いは、HISの夏休みの予約数発表によると国内が例年の9割、海外が1割程度だそうで、国内は確かにだいぶ賑わってきました。しかし、観光関係者の方はインバウンドの復活をやはり期待されていることと思います。
今、中国も日本も入国に関しては厳しい制限があり、特に中国は未だに入国後の隔離期間を設けています。中国人も海外旅行をしたら、帰国をする時に隔離対象となってしまいます。そのため、観光旅行で海外に行こうと考える人はまずいません。
しかし、日本も入国基準を緩め始めましたし、中国もいつまでも国を閉ざしているわけにはいきません。このまま新型コロナが終息に向かうのか、いつ海外旅行に自由に行けるようになるかは、誰にも断言ができませんが、観光関係者にとっては小さな希望の光が見え始めたというところだと思います。
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