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石川 温の「スマホ業界新聞」
2022/08/27(vol.481)
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《目次》
1.スペースXとTモバイルUSが衛星から直接スマホに通信を提供
-----先行する楽天モバイルはどう出るか。国内他キャリアは?
2. aiwaブランドが復活し、格安スマートフォンを投入
-----かつて、aiwaを買うか迷った40代が前のめりに
3.交通インフラにDXをもたらすコンソーシアム誕生
-----交通信号機にも求められる「グローバル規格」への歩み寄り
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.スペースXとTモバイルUSが衛星から直接スマホに通信を提供
-----先行する楽天モバイルはどう出るか。国内他キャリアは?
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スペースXとTモバイルUSは8月25日、衛星によるネット接続サービスであるスターリンクを使って、既存のスマートフォンでテキストなどを送受信できるサービスを2023年中に試験的にスタートさせると発表した。TモバイルUSユーザーは無料で利用できる予定だ。
スペースXのイーロン・マスク氏は、既存のモバイルネットワークを置き換えるものではなく、あくまで、山間部や砂漠、海上など圏外である場所をなくすためだとしているが、将来的には音声通話やデータ通信も提供したいとしている。
また、技術的にはアメリカのみならずグローバルでのサービス提供が可能だとしており、TモバイルUSユーザーには世界レベルでローミングサービスが提供されるとしている。
サービスを提供する衛星は500マイル(約800キロ)上空を飛び、スマートフォンに対してはミッドバンドの周波数帯を用いることでサービスを提供するという。
内容としては、楽天モバイルとASTの「スペースモバイル計画」とほぼ同等だ。楽天モバイルがスペースモバイル計画を掲げた時は半信半疑で「無謀だ。無理に決まっている」と思われていたが、スペースXが参入してきたことで、俄然、現実味を帯びてきた。
むしろ、スペースXよりも先に楽天モバイルがサービスを提供できたら、グローバルでも展開できる可能性が出てきたのではないか。
楽天モバイルに一気に追い風が吹いてきた感がある。もちろん、楽天モバイルに関しては、衛星から地上に飛ばす周波数帯がなさそう(1.7GHz帯を使えば、地上基地局と干渉する可能性がある)だし、日本での法整備も整っていない。まだまだ課題が山積みなのは事実だが、スペースXが競争相手になったことで、世間の注目をさらに浴びることになるだろう。
もうひとつ、注目しておきたいのが日本のキャリアがどう出るか、だ。
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