台湾海峡の緊張に注目が集まるなか、人々の笑いを誘うある動画が両岸(大陸と台湾=中国と台湾)で拡散された。
離島防衛の前線にいる台湾の兵士たちの頭上を飛ぶドローンからの映像で、明らかに大陸から飛来したものだ。映像のなかで兵士たちがカメラを構え、石を投げて落とそうとする姿が映っていたのだ。
最も激しく反応したのは台湾のネット市民だが、世界のメディアも素早く反応した。オーストラリア放送協会が運営する国際放送サービス「ABCニュース」はトップニュースで扱い、「台湾の兵士たちが大陸のドローンに対して石を投げて追い払う映像が拡散したことを受け、ドローンに対する迎撃システムを導入する」と報じた。
いまさらか、という反応が出る一方、台湾の金門指揮部は「(大陸の)フェイクで認知戦だ」と強く反発。かえって火に油を注いだ。
この騒ぎのなか奇しくも台湾が発表したのは来年度の防衛予算だ。対前年比で12・9%増は世界を驚かせたが、実態はそれ以上だ。アメリカから調達する最新鋭戦闘機F16Vなどの特別予算を加えれば総額は5863億台湾元(約2兆6500億円)となり、増加幅も対前年比13・9%まで膨らむからだ。
日本のメディアは、「中国が大規模演習で圧力を強めた対抗」だと報じたが、シンガポールの英語ニュースチャンネルCNAは「それは台湾当局の説明」と切り捨てた。
そもそも蔡英文政権は6年連続で防衛費を増やしてきた。つまり軍拡は、蔡政権の一つの性質でもあるのだ。
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