FRB積極利上げのジレンマと隠れたリスク
26日のジャクソンホール・シンポジウムで、FRBのパウエル議長はインフレ退治に断固たる強い姿勢を示し、優しい言葉を期待した金融市場を裏切りました。これを受けて株式市場は失望の株売りを見せました。FRBにとっては、バイデン政権のインフレ抑制を最優先する姿勢に協調し、合わせてロシア、中国への間接的な経済攻撃という側面もあります。
しかし一方で、この急激な利上げは、FRBの収益を圧迫し、政府への上納金が減るだけでなく、FRBの大幅赤字はドルの信用を損ねるリスクがあります。また逆イールド緩和のために、資産の売却を急げば、FRBの売却損の発生や、信用の収縮から金融市場、実物経済にも大きな打撃となり、秋以降の米国市場、世界市場に大きな信用不安をもたらすリスクがあり、要注意です。
「金利予想が大きく上昇」
FRB議長の強い姿勢を見て、市場の政策金利予想が大きく上昇しました。フェデラル・ファンド金利(政策金利)の先物は、8月1日時点で、来年1-3月に3.2%でピークを打ち、その後次第に金利は低下する予想でした。しかしジャクソンホール後には、来年春に金利は3.8%でピークを打つも、その後は高止まりし、24年に入って金利が低下する形に変わりました。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)