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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第488号2022.8.9 配信分
●『70歳が老化の別れ道』
読者の皆さんご承知の通り、私は齢70を迎えている。1952年3月
24日生まれ。2022年の今(8月)、客観的には老人であることに違
いはないし、自分でも高齢者であることを自覚する機会も増えた。
しかし、実感としてはこれまでの延長でしかなく、気持ちの上では
21歳の頃とそう変りはない。
まだ10代のサッカー小僧だった記憶があり、ポンコツだらけの身
に愕然とすることも多い。脳卒中やらナントカ癌を罹患したり不整
脈治療のアブレーションも経験した。いわゆる老化現象だと受け容
れるのは簡単ではなく、還暦以降凹んだ回数は枚挙に暇がない。
ところで、現在日本では高齢者を65~74歳までを『前期高齢者』、
75歳以上を『後期高齢者』と括って分け隔てている。これはアメリ
カの老年学の権威、シカゴ大学のベルニース・ニューガートン教授
が1974年に提起した75歳未満を『ヤング・オールド』、75歳以降を
『オールド・オールド』と分類したことを参考にしたものだという。
その事実を知ったのは『70歳が老化の別れ道』というキャッチー
なタイトルのベストセラー(和田秀樹著:詩想社新書)を読んで。
人口動態やテクノロジーの進歩に伴う都市化の進展などの変化は、
数値データに表れる未来予測の確証を得る有効な手立てだ。単なる
印象論ではなくて、必ずそうなると言えるものだが、現代日本人は
恐ろしいまでに”茹で蛙思考”に陥っている。嫌なことは考えない
で、できればこのまま逃げ切りたい、と誰もが皆考えているようだ。
後期高齢者という言葉が一般化したのは「後期高齢者医療制度」
が施行された2008年頃からだった。年寄りを前期/後期で分ける呼
び方に異を唱える意見は多かったと記憶するが、いざ自分がなって
みるとまるで実感が涌きません(笑)。
いずれにしても、現在の日本は世界一の高齢化社会であるのは間
違いなく、2021年8月の確定値で総人口1億2563.3万人に対して65
歳以上は3618.9万人で28.8% 、実に4人に1人以上が老人という
何とも活気の湧かない街中の光景が目に浮かぶ。
ちなみに、私が18歳で運転免許を取得した1970年は、総人口が遂
に1億を超えた1億0372万人だったが、65歳以上は一桁下の731万
人(7%)しかいなかった。過去50年間で平均寿命は15歳以上延び、
かつての70歳と現在の自分を比べると「老け方がまるで違う」と我
ながら思う。
●世界トップクラスのAT大国日本
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