第570号
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岩上安身のIWJ特報!
「長期化するウクライナ紛争~米国の代理戦争の代償」
「米ドルの黄昏とアテナイ覇権喪失の教訓」(第4回後半)
岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー
(その5)
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(その4)の続き
・田代秀敏氏(IWJ撮影)
https://bit.ly/3pRWhH9
日本の中東に対する石油依存度は、湾岸戦争やイラク戦争など、中東が極めて
不安定な時期でさえ上がり、現在も90%を超える。田代秀敏氏はその理由を、「
結局、エネルギーは、資源は、安いところから買う」のが自然と指摘する。
ところが、ウクライナ危機では、米国の「気まぐれなデモクラシー」でロシア
へ経済制裁した結果、ガソリン価格が高騰、欧州や日本はもちろん、そもそも米
国市民が悲鳴をあげている。
そこで田代氏は、ガソリン価格と大統領支持率が逆相関する米国では、バイデ
ン氏が目前の中間選挙、そして来たる大統領選挙に勝利するには、米国内のガソ
リン価格をどうしても下げる必要があり、それにはイランとロシアへの制裁を解
除すればよいと提案する。
また、岩上安身は、日本と同様の立場で、石油輸入を死活的に必要とする韓国
が、ロシア制裁に加わらなかった例をあげ、「自国の生存が関わるような時は、
アメリカの言うことを少々聞かなくてもいい、という態度をとれないのか」と疑
問を呈した。
また、田代氏は、技術力で「1930年代には中国が米国を上回る」というポール
・セルバ元米統合参謀本部副議長の警告を引き、「理由は簡単で、研究開発にか
けてる金が、中国がアメリカを圧倒しているから」と喝破。
米国は中国企業の台頭を抑えるため、ドル決済を止める金融の力を背景に、経
済制裁を行っている。しかし、それがドル以外の決済手段を求めることをむしろ
加速している。たとえばロシアはウクライナ危機以前よりもガスの販売を増加さ
せている。「ドルの力を利用すると、それ自体がドルの力を弱めていく」という
わけだ。
8月30日、『ロイター』は、ロシア国営のガスプロム社が、30日に発表した202
2年上期決算は、純利益2兆5000億ルーブル(427億5000万ドル、5兆7352億円)で
過去最高となった、と報じた。
※ロシア国営ガスプロム、上期は過去最高益 配当実施へ(ロイター、2022年8
月30日)
https://bit.ly/3Ro8UFH
『ブルームバーグ』は5月31日、ロシアのウクライナ侵攻開始後、ルーブル・
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