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140円を超えたドル円~このままどんどん上昇するのか?

今市太郎の戦略的FX投資
**************************************  今市太郎の戦略的FX投資  ファンダメンタルズでテーマを見極め  テクニカルで実証してエントリーする  2022年9月2日号外版  ツイートアカウント @imaichitaro  よろしかったらフォローもお願いします。 ***************************************** 140円を超えたドル円~このままどんどん上昇するのか? 昨日のNYタイム、米国のISM製造業指数が事前予想を 上回ったことをきっかけに日米金利差拡大観測に伴う ドル買い・円売りに拍車がかかることとなりとうとう ドル円は140円台を突破する動きとなりました。 ただ突破直後は何度かリカクもでたせいか何度か139円台 に押し戻される動きとなったもののその後は140円台 前半に戻って高止まりの動きを見せています。 この水準のドル円の動きは1998年6月以来ということ ですから国内でFX投資を行っている個人投資家は だれもお目にかかったことのないものであり、過去の データとしてもチャートには出てこない店頭FX業者も多く すでに殆どの市場参加者の記憶が蘇らない領域に入り 込もうとしています。ただこの1998年のドル円相場は いまさら参考になる材料も豊富で何があったのかを知って おくことはかなり役に立つものでもあるのです。 ■98年は円買い介入の年 この1998年は日銀の特異年で円安が進んだ同年の4月9日 から2日間に渡って日銀は異例の円買い介入に打って出ます。 ちょうど130円を超えはじめた当たりに2.8兆円ほどの原資 で行っていますが、単独介入ということもありその効果は ほとんど見られず半月ほどヨコ展開したドル円はさらに上昇 し6月にとうとう140円を突破、その後5営業日で146円台 まで上伸する動きを見せることになりました。業を煮やした 日銀は同年の6月17日再度2300億円規模の円買い介入に 踏み切りますが、こちらも効果は限定的でその後ドル円は 8月に向けて再上昇することとなってしまいます。もちろん 当時は米国政府の承認は得ていたのでしょうが、強調介入を してくれるほど親切な訳もなく、日銀は限られた投入原資の もとで苦しい戦いを強いられていたであろうことが窺われ ます。 ■いきなりの転機となったのがロシアデフォルトとLTCMの破綻 もともと1997年にはアジア通貨危機が起こっていたのは ご案内の通りですが、これが原因となりロシアの財政悪化が 急激に進み、1998年8月17日、ロシア国債はデフォルトに 陥ります。その影響をもろに受けることになったのがノーベル 賞学者を抱え最先端の金融工学を駆使して裁定取引きを行って いたLTCM・ロングタイムキャピタルマネジメントで同社は いきなり破綻に追い込まれてしまいます。 この際にLTCMが大量に保有していた円キャリートレードの ポジションが一斉に解消されたことからドル円は激しい円高に 見舞われることとなります。同年の10月5日に136.05円を つけていたドル円はその後4日間で10月9日には115.25円 まで下落するという恐ろしい円高展開を示現します。 米国の金融機関はLTCM救済に動きましたがそれがドル売りを 加速させるもう一つの原因となり、当時ドイツマルクもドイツ 連銀の利下げ意向からマルク買いも限定的となり、結果円が 猛烈に買われることになってしまいました。 日銀はこの年はからずも自前の円買い介入では実現できなかった 円安の抑制をロシアデフォルトをきっかけとして20円近い 円高で実現することとなるというなかなか奇異な時間を過ごす ことになりました。 当時のことを知るインターバンクディーラーや金融関係者がよく 急激な円安のあとに円キャリートレードの巻き戻しが来るのに 注意せよと口にするのはまさにこの話の経験から来るもので、 足もとの為替状況では日銀が簡単に米国の承認を得て円買い 介入を行うとは思えませんし、円キャリートレードも急激な巻き 戻しがでる状況にはありませんが、何かの事象をきっかけにして ドル円の円安が大幅に巻き戻される可能性というものが常に 存在することだけは意識しておく必要がありそうです。 日銀黒田総裁はこの夏のジャクソンホールでも緩和継続を ダメ押ししており、そもそも国債の買入れをやめて緩和を 停止することから始めない限りドル円が円高にいきなりシフト すると考えるのは非常に難しい状況です。 このメルマガではよくご紹介するアナログチャート分析でも 98年のドル円と2022年のドル円の動きは必ずしもシンクロ しているわけではありませんが、この先米株が大きく下落する ようなことになれば日銀の意向とは関係なく突然円高方向に 走り始めることも全く否定はできないのが現実です。 米債金利の上昇だけでドル円がどの水準まで上昇するのかは 正直良く判らないのが現実ですが、ここで打ち止めには ならないことも覚悟しておかなくてはなりません。

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