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時間給6米ドル程度でアジア圏から日本に働きにくる若者などもういない

今市的視点 IMAICHI POV
  • 2022/09/03
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*******************************************************       今市的視点 IMAICHI POINT OF VIEW     金融、経済、政治、企業といった領域でのニュースや     トピックスをテーマに独自の視点で鋭く切り込みます     ツイートアカウント @imaichitaro     よろしかったらフォローもお願いします。             9月3日号 ********************************************************** 時間給6米ドル程度でアジア圏から日本に働きにくる若者などもういない ~完全後進国の日本にはもはやなんの魅力もないことを理解すべき 厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会は去る 8月2日に2022年度の最低賃金を全国加重平均で31円 を目安に引き上げるよう厚生労働大臣に答申し、その 上げ幅は過去最大の全国平均時給961円となったことが 話題になりました。しかし現実には最低賃金が1000円 を超えるのは東京、神奈川、大阪の3都府県だけで、 埼玉、千葉、愛知、京都、兵庫の5府県は900円台後半、 残りの過半数の28県は800円台のままであるのが実態 であることが露見しています。それでも労働の現場では 飲食、物販を中心とした中小企業経営者が時給アップを 受け入れるのに一苦労という相変わらずの給与デフレの 状況が続いています。新型コロナの影響で海外から日本に 来て働いてくれる外国人の数は大きく増加しておらず、 2021年10月現在でほぼ174万人程度が働いていると されていますが、この先その数は大幅に減少することが 危惧され始めています。つまり日本人の労働者では到底 見合わない低賃金で、それでもなんとか頑張って働いて きた外国人労働者がこの先激減することを覚悟しなくては ならないのが今我々が直面する現実なのです。 ■時給6~7米ドルではアジアからは誰も働きに来ない 過去には料飲店などで時給800円程度でも夜中に働く勤勉 なアジアを中心とした海外の若者が存在したことは事実 ですが、それでも凄まじく労働環境が悪い中で働く海外の 若者はすでに激減しています。その主たる原因は給与、 とりわけ時給の問題で、いまどき800円とか900円という のは米ドル換算では1ドル140円超の足もとの状況では 6ドルとか7ドルに過ぎず、米国本国ならラーメン一杯 食べても日本円で3000円、スイスでビッグマックのセット を食べたら日本円で1300円などという時代にこんな薄給 では子供でも働きに来ない、凄まじく貧しい時代に陥って いることを全国民がしっかり認識しなくてはなりません。 ■日本で働くことになんのプレゼンスもなくなったという厳しい現実 90年代までは来日して働いた知見があれば、確実にその後 のキャリアパスにプラスに働いたといいます。しかし現状は 世界的に見ても経済的優位性は須らく失われ、街がきれい とか治安がいい、ごはんが安くておいしいなどはっきり言って 日本で働くことのプレゼンスというものは大幅に後退して しまったのが現実です。この部分は我々日本人が全く正確に 理解できていないことが相当大きな問題になろうとしている ようです。まさに過去30年近く日本という国が地盤沈下を 起こしてしまったことが国際的価値と評価を著しく低下させ たことになります。 カネは安いは働いた実績が他国で全く評価されないではまず 海外から若者が来るはずはなく、これはある意味で海外から の留学生が増えないことの主たる原因にもなっていることが わかります。 岸田首相はインドに行けばすぐに大きな資金提供を申し出ます しアフリカの会議にオンライン出席すればこれまた多額の資金 を援助するなど完全に30年前の日本の先進国感を続けて 完全に国際社会から遅れをとってしまっていますが、現実の 日本社会は海外からの労働力に依存するなどという安易な 発想は全くワークしなくなっており日本人の労働者が働いて も食べていかれる賃金体系に大幅に上昇させるといったかなり ドラスティックな政策を実現することが求められていることを 強く感じさせられます。実際コロナ禍で簡単にクビを切られた 国内の若者は足もとの多少は状況が改善した中にあっても元 の職場に戻ることはなくなっており、一部の都市部の料飲店 などでは時給1500円で求人を出しても人が雇えないという 深刻な状況も示現しているようです。もはや人が食べていかれ ないような単価の求人しか出せない業態は絶滅に向っていると 考えるべき状況なのかもしれません。猛烈な労働需給のギャップ についてはもっと冷静かつ実態に基づいて考えることを迫られて いるのです。ここでも何も深く考えない岸田政権の浅薄なオペ レーションが目立ちに目立っています。

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