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vol.141:Z世代お気に入りのスマホはOPPO。コモディティ化が進む中国スマホ状況

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2022/09/12
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 141 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、中国のスマホ状況についてご紹介します。 9月8日に、アップルのiPhone14が発表となりましたが、ハードウェアスペック的には目ぼしい進化がないことから、一部には落胆の声もあります。もはやスマホは進化をしなくなっているのではないかと感じている人が多いのだと思います。 中国では、米国の制裁により、それまでアップルと双璧をなしていたハイエンドメーカー、ファーウェイが限定的にしかスマホを生産することができなくなり、シェアランキング統計から消えてしまいました。 また、若い世代のシェアランキングを見ると、トップにはアップルでもなく、ファーウェイでもなく、OPPOがきています。OPPOはミドルクラスで良質の製品を発売し続けているメーカーで、中国の若い世代もハイスペックスマホではなく、「ちょうどいい」「コスパがいい」スマホを選ぶようになっています。 また、ショートムービーの利用があいかわらず伸びており、スマホはショートムービー再生が主な機能で、それに付属してライブコマースで買い物ができるように決済機能やSNS機能があればいいという感覚になってきています。 つまり、中国では世界に先駆けて、スマホのコモディティ化が始まっています。白物家電と同じように、必要じゅうぶんな機能でコストパフォーマンスがいい製品が好まれるようになっているのです。 これは今後のスマホメーカーの戦略に大きな変更を迫ることになります。これまでは常に先端テクノロジーを導入し、「世界初の○○搭載」が重要でしたが、それが重要でなくなってきているからです。 特にファーウェイはスマホ事業を立て直す必要があり、大きな戦略転換をおこなっています。今後のスマホ戦略がどうなるかを考えるためにも、現在のスマホ状況をご紹介します。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 141 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ Z世代お気に入りのスマホはOPPO。コモディティ化が進む中国スマホ状況 小米物語その60 アリババ物語その60 今週の「中華IT最新事情」 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Z世代お気に入りのスマホはOPPO。 コモディティ化が進む中国スマホ状況 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、スマートフォンのシェアについてご紹介します。 2020年上半期で、個人的にいちばん驚いたというか、中国らしいニュースだなと感じたのが、数源科技(Soyea)から発売されたスマホケースです(https://www.soyea-tech.com/zh-CN/product_5gtxk.asp)。 後ほど触れますが、華為(ファーウェイ)は、5Gチップの調達ができなくなり、基地局関連製品などでは5Gのリーダー企業であるのに、5G対応のスマートフォンが製造できない状態になっています。このスマホケースは、P50Pro専用で、チップとeSIMが内蔵されていて、4G通信しかできないP50Proであっても、5G通信を可能にするというものです。 数源科技は、ファーウェイとは関係のないサードパーティーで、独自開発の製品ですが、報道によるとテストに関してはファーウェイが協力をしたと言います。ファーウェイはもはや「5Gスマホが出荷できない唯一のスマホメーカー」とまで呼ばれるほどの苦境で、なんとか5Gに対応して、生き延びようとしています。 9月8日に、iPhone14の発表があり、衛星通信が話題になっています。緊急通報を圏外であっても衛星経由で当局などに発信できるというものです。ただし、実際に使えるようになるのは11月からで、北米とカナダでサービスがスタートするということです。 9月6日にはファーウェイの新作発表会がありました。高級路線のMate50シリーズの発表です。この中で、ファーウェイも衛星通信に対応することが発表されました。中国では、独自の衛星測位システム「北斗」(ベイドウ、BDS)を運用をしていて、この北斗に備えられた双方向性の機能を使って、圏外であってもショートメッセージと位置情報を送信することができるというものです。 中国メディアの報道では、アップルよりも2日早く発表したことと、ファーウェイの衛星通信のサービス開始日はまだアナウンスされていませんが、アップルのサービス開始日よりも早くなるのではないかと報道されています。 サービス開始日が数日早くても大して意味のあることでもないと思いますが、ファーウェイがアップルに対して非常に強い対抗意識を持っていることは間違いないようです。

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