メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く
エリザベス女王が亡くなった。 すでに日本の天皇陛下が参列の意向を示すなど、おそらく世界中の元首クラスが参列するだろう。 女王には申し訳ないが、国葬とはこんなものという見本が示されることになるのだろう。お天道様が見ているというか、ショボイ参列者しかいない国葬が断行されるのは、日本の恥だということを、教えてくれるタイミングでの女王の死だった。 女王の死の直前に岸田首相が国会で国葬の理由を語った。 「諸外国における議会の追悼決議や服喪の決定や、公共施設のライトアップを始め、各国で国全体を巻き込んでの敬意・弔意が示されていること」という理由が挙げられているが、だったらなんでエリザベス女王とアベ氏の国葬で、こんなに参列者に差がつくのかをぜひ説明してほしい。 さて、この国会説明について、モーニングショーを見ていたら、日本の経済を再生させたなどということが理由の一つに挙げられていた。 これまで何回も書いてきたように、結果を見る限り安倍元首相の経済政策は悲惨としか言えないものだ。 最後の方はコロナがあったものの、震災などもほとんどないのに経済成長率はゼロに近いし、一人あたりのGDPは落ち続けて韓国にも抜かれる体たらくだ。私は、それが旧統一教会の思惑だと疑っているが、いずれにせよ、結果的に日本経済をボロボロにしたのは確かだ。 私が国会議員だったら、「あなたはこの数字で満足しているから、国葬にするわけですね」とつっこんでやりたいところだったが、いろいろと調べてみるとそうは言っていないようだ。 「東日本大震災からの復興や日本経済の再生に尽力した」ことが理由だそうだ。 いかにも日本的だが、結果がどうあれ、努力した人が偉いという発想だ。 日本が韓国に抜かれたのは結果であって、一生懸命努力していたし、旧統一教会が介入したわけではないかもしれない。ただ、結果としてそうなったことは、やはり問題視されないといけないだろう。 ここが企業と政治家の違いだろう。 企業なら結果が悪ければ責任を取らされるが、政治家は結果が問われない。 だから、今のようなコロナ政策を続けていられると言える。 彼らにとって結果というのは、国の経済を発展させたとか、外交成果で、たとえば領土問題とか、拉致問題とか、あるいは不平等条約とかを解決したことではなく、努力をしたことであり、それ以上にいみじくも岸田氏が国葬の理由にあげたように、「国政選挙を6回にわたり勝利したこと」なのだろう。 選挙に勝てば、日本が韓国にGDPで負け、日本の土地や会社が中国や韓国に買われ、日本の女性も中国人や韓国人に買われるような国になってもいい。これが自民党の本質だ。だから外国の宗教にでも、日本の宗教にでも魂を売る。 我々、医者の世界では、いくら努力をしていても、たとえば手術がヘボだったり、心のケアでかえって患者さんの具合を悪くすれば、藪医者の扱いを受ける。手術を失敗して、「あの先生は日ごろ、努力しているので」などといういいわけは通じない。ありとあらゆるプロスポーツでも、あいつは努力しているということで結果を出せないで名選手と言われることはない。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
  • 世の中のいろいろなことにたった一つしかないと考え、それを信じ込むことは、前頭葉の老化を進め、脳に悪い。 また、それが行き詰った時に鬱になるというメンタルヘルスにも問題を生じる。 ところが日本では、テレビでもラジオでも、○○はいい、××は悪いと正解を求め、一方向性のオンパレードである。 そこで、私は、世間の人の言わない、別の考え方を提示して、考えるヒントを少しでも増やし、脳の老化予防、メンタルヘルス、頭の柔軟性を少しでもましになるように、テレビやラジオで言えない暴論も含めて、私の考える正解、私の本音を提供し続けていきたいと思う。 質問、相談、書いてほしいテーマ等、随時受付。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎週 土曜日(年末年始を除く)