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【Vol.356】「ニューヨーク流「子供自立」教育」

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明
2022/9/11 Vol.356 1. コラム:ニューヨーク流「子供自立」教育 前回の日本出張で最も驚いたことは「子供が外を歩いてる!」ということでした。いや、もちろんニューヨークでも子供は歩いています。でも、横には必ず両親ないしは保護者がいます。ニューヨーク州では「13歳未満の児童をひとりにすること」自体が違法(※)になります。警察に保護され、親は逮捕される可能性すらある。本当の話です。 (※ 厳密にいえば、各州により州法も違い、それどころか郡や市によっても違うので、一概に“違法”とは言えなかったりもします。あと州により年齢も16歳未満から6歳未満とレンジもあり、留守番はいいけど駐車した車に残したままその場を離れるのがアウト、とか、登下校はいいけど留守番はダメとか、州によって様々です。法律で決められている州もあるし、法律では決められてないけれど、州のガイドラインで推奨年齢が決められている場合もあります。実はニューヨーク州は法律で決まっているわけではないので厳密には“違法”ではありません。ただ、アメリカ人のママ友たちもそれを違法と思っている人がほとんどで、社会ルール上、子供たちをひとりにさせないのが常識になっています。なにより子供を野外で放置して実際に逮捕されるケースもあるので、僕たちの中ではほとんど“違法”みたいな認識だったりします) 「ひとりにさせちゃダメ」ってことは、野外はもちろんのこと自宅での留守番もアウトです。日本では、子供に留守番をさせるのに、リモートで様子が伺えるような防犯カメラの種類も充実しているようですが、アメリカでは売られていません。ひょっとしたら探せば売られているのかもしれませんが(体裁上、違う目的用で)僕は見たことがありません。この街で暮らし22年になりますが、なので、公道で子供が単体移動するシーンを目撃したことがない。公園内や敷地内くらいなものです。学校の送り迎えも、僕か妻が交代で行っています。 それが当たり前になっているので、日本の故郷に里帰りした際、まだ5歳くらいの女の子がひとりで鼻歌を歌いながら横切った際にはドキっ!としました。誘拐し放題じゃないか、と。 横にいた妻が、こんな田舎だから、大丈夫よ、と言われ納得はしましたが、驚きは隠せませんでした。岡山県の瀬戸内海側ののどかな町ではあります。80年代、そういえば、僕たちも当たり前のように小学校までの結構な距離をひとりで下校していたなぁと思い返します。小学校1年生からです。

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  • 全米発刊の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人、高橋克明です。新聞紙面上や、「アメリカ部門」「マスコミ部門」でランキング1位になったブログでは伝えきれないニューヨークの最新事情、ハリウッドスターとのインタビューの裏側など、“ イマ”のアメリカをお伝えします。
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