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米中「始まった新冷戦」、米国は技術情報封鎖へ 中国はスパイで対抗?

勝又壽良の経済時評
  • 2022/09/12
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習の3期目は危険ゾーン 中国不利な戦いどうする 米国は冷戦への準備万端 古典的スパイ作戦で対抗 中国は、ロシアのウクライナ侵攻作戦を最大の関心を以て見詰めている筈だ。中国の台湾侵攻作戦に応用する目的である。中国にとって不運なことは、自国の最大の武器輸入国であるロシアが、予想外の劣勢に立たされていることであろう。ロシア製武器が、西側諸国製武器の威力の前に顔色なしの状況に追込まれているのだ。 この決定的な差は、ロシア製武器に西側製半導体が使用されていることに現れている。ロシア製半導体がゼロであった。ロシア軍が戦場に放棄した武器を解体して判明したものだ。これは、西側が半導体など戦略物資を輸出禁止にすれば、ロシアの武器生産がたちどころにストップせざるを得ない理由である。ロシアでは、すでに戦車の生産がストップしていると報じられている。 習の3期目は危険ゾーン 中国はこの10月、習近平氏の国家主席3期目を決めると見られている。これまでの「2期10年」という憲法規定を改めて、習氏を国家主席3期目に選出するのだ。なぜ、習氏に3期目が必要なのか。ざっくり言えば、台湾侵攻を目的にしているのであろう。誰も、こういう危険な決定に関わりたくない。侵攻が失敗すれば、「戦犯」の身である。国内では、敢えて汚れ役を買って出ている習近平氏に任せよう、というのだろう。習氏には、「英雄」か「戦犯」かの危険な選択になる。 もっとも、習氏が全権を握れば、開戦するかしないかは習氏の判断一つにかかる。最も狡い方法は、「開戦」の構えを見せながらズルズルと先延ばしすることである。そうこうしているうちに、客観情勢から見て「開戦不利」と判断して、取り止める方法もあるのだ。習氏は、巧妙に立ち回りながら、自らの生命を守ることを最大の目標にして政権を運営するであろう。 米国が、中国の台湾侵攻作戦を止めさせるには、開戦しても勝てない状況をいかにしてつくり上げるかだ。その意味で、ウクライナ侵攻に走ったロシア軍の分析が、極めて貴重な材料となろう。米国は、ロシア軍と真逆の戦法を構築しておくことだ。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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