インフレが長引くこれだけの理由
世界に広がったインフレの波が日本にも到達していますが、日本政府、日銀がこれを「一時的」と軽視しているのが気掛かりです。日銀は消費者物価が年内は2%台となっても、来年度は1.4%まで低下すると予想。政府は物価高を懸念しますが、その対応が補助金や給付金の支給、政府売り渡し価格の維持となっていて、これを見る限り、物価上昇を一時的なものとみている節があります。
「FRBも一時的と見誤り」
しかし、これまでの例をみると、米国のFRB(連邦準備制度理事会)、ユーロ圏のECB(欧州中央銀行)ともに、当初はインフレを一時的と評価。その分対応も遅れました。FRBは昨年、物価上昇はコロナ規制解除による一時的、部分的需要集中によるものと言っていました。中古車や航空運賃、ホテル代の値上がりなど、価格上昇は特定のものに限られるとしていました。
ところが、現実はFRBの認識と異なり、インフレ率はさらに加速し、広がりを見せ、エルギー、食料を除いたコアでも高い上昇となったため、FRBは自ら判断の誤りを認め、その後急ピッチでテーパリング、利上げ、量的引き締めへと積極的にインフレ抑制に動きました。実際、今年の1-3月、4-6月の米国GDP(国内総生産)はいずれもマイナス成長となりましたが、その中でもインフレは高進しました。
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