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第36回 「いまごろ?」 習近平・プーチン会談でメディアが注目した新情報の裏で中露が模索する対米対抗軸の可能性

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 9月14日から16日にかけて、ウズベキスタンのサマルカンドで開催された上海協力機構(SCO)加盟国首脳理事会第22回会議(首脳会議)は、予想通り大国間外交の大きな舞台となった。  ひときわ衆目を集めたのは中国の習近平国家主席とロシアのウラジミール・プーチン大統領の首脳会談だ。今年2月、北京冬季オリンピック開会式に出席して以来、7カ月ぶりの対面による会談の実現で、習近平にとってはコロナ禍後の初めての対面外交である。  NHKのBS番組『国際報道2022』はこの会談をウクライナ戦争の視点からフォーカス。「メディアの注目を集めたのが、軍事侵攻に対する中国の懸念を認めたともされるプーチン大統領の発言」と、英国放送協会(BBC)の報道を引用し「ウクライナ危機に関する中国側の疑問や懸念を理解している。今日の会談で我々の立場を説明するつもりだ」と語ったプーチン大統領の意味を解説した。  事実、BBCはこの発言に強く反応し、以下の二つの発言を大きく取り上げていた。  一つはロシアが示した「ウクライナ危機に関する中国のバランスの取れた立場の維持」への感謝。もう一つは、既述した「ロシアの軍事侵攻に対する中国の疑問と懸念を理解している」という発言だ。  これを受けてキャスターは、現地で取材する編集委員に「中国側の懸念を認めた意義はどれほど大きいのでしょうか?」と問いかけている。

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