目的と結果を誤解した政治は滅びる運命にある
政治という機能の本質的役割は「雇用問題」である。共同体の構成員に対して、役割分担を調整することが政治の役目である。政治の目的は「国民を豊かにする」ことではない。それはあくまで結果であり、そのことを目的としてはならない。統治者が、豊かさを目的としたり、国民を豊かにすると誤解した政治は、滅びる。そういう「期待」を権力者に抱いた国民は堕落する。
突然もらえる100万円より、毎月もらえる10万円の方ありがたい。政治の役割とは、国民が労働の機会を与えられ、労働しただけの報酬が回収できるシステムを調整することである。
政治とは雇用問題である、という視点から現在の政治状況を眺めてみよう。
すると、現在の政治状況は危機的状況にあることがわかる。それは腐敗とか経済不況とかいうことではない。企業が大規模な雇用調整を行い、
新卒社員を取らないということが現在の最大の政治課題である。これは、既存の企業組織はすでに発展原理を失っていることの証左である。儲からないから人を取らない、というのではなく、まず人がいて、彼らの仕事をどうするか、という社会基盤を考えるのが政治である。企業が雇用調整をする限り、政治は企業調整でそのことをすべきなのである。はっきり言えば、雇用調整を続ける企業は潰していくべきだし、雇用を促進している産業を育てていくしかない。
生活システムの設計こそが政治の最重要課題である
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