■FBI WAY
FBI局員は、1世紀以上、国家を守る任務を担い、素晴らしい成
果を残してきた。これが可能なのは、全員に内面的優秀さを求める
行動規範を作り、局員に注入してきたからだ。
捜査員たちは、殺人犯・窃盗犯やスパイを追うのと同じ情熱で自分
の内面を律している。注入された行動規範を、類まれなハイレベル
で実践しているのだ。これこそがFBIの本質だ。
これを「FBI WAY」と呼ぶ。これは、あらゆる企業、チーム
などの組織に役立つ。特に、組織の価値観を土台にしてパフォーマ
ンスを高めることに役立つはずだ。
ストレスがかかると、人や組織は大切にしているものに対する脅威
を見つける能力や、その脅威に打ち勝つ能力が削がれ、意志も失う。
そうならないためには、常に警戒を怠らないことだ。
計画も不可欠だ。価値があるミッションには、計画を立てる価値が
ある。計画を立てる価値がある取り組みは、関わる人々や組織の価
値観を表す。だからこそ成功させなくてはならないのだ。
その成功確率を高めるのが「Code」「Conservancy」「Clarity」
「Consequences」「Compassion」「Credibility」
「Consistency」の「7つのC」なのだ。
★
1つ目のCが「Code」だ。これは原則や規則の体系のことだ。す
べての企業・コミュニティ・国家には、自らの価値観とともに生き
残り、繁栄するために、その価値観を反映したコードが必要だ。
「7つのC」の概念を取り入れれば、価値観やコードを内外すべて
の脅威から守ることができる。これこそが「FBIWAY」の核に
なるものだ。
自分の企業・組織・チーム・家族で基本的な行動規範を定めていな
いなら定めるべきだ。たくさん作る必要はない。規則が多すぎると、
すぐに規則がないのと同じになってしまう。
また、よくできた行動規範は組織のコア・バリューを反映している。
企業・学校・チーム・家族など、活動の指針とするコードを作りた
い組織は、まずコア・バリューを固めなければならない。
★
2つ目のCが「Conservancy」だ。これは、共同で力を尽くして
地域や物事の真の価値を守る取り組みのことだ。加わった者は、組
織の一員となり、自分より大きな存在を守る責務を担うことになる。
そして、自分がその責務を果たしていると思える時には、組織の価
値観にただ従っているのではなく、その価値観が自分の中に溶け込
んでいるのだ。
組織がConservancyの精神の種を蒔く第一歩は、メンバーに、各
自の行動が組織にどんな影響を及ぼすかという観点で責任を負わせ
ることだ。
組織の価値観を守るには、リーダーが説明責任を負わなければなら
ない。結局、上位のリーダーのふるまいと不祥事に対する姿勢が、
その組織に誠実さを育むのだ。正しく運用すれば強力な武器になる。
★
「Conservancy」とは、自分や自分のチームよりも大きな大義・
原理・使命・価値・組織を積極的に守ることだ。守る価値がある何
かのために戦うことだ。
共同でのConservancyとは、全員が自分より大きなものを守る責
任を負うことだ。そこからは卓越したレベルの高さが生まれる。
だから美しいのだ。
別の言い方をすると、人間だけが、自己防衛や集団防衛よりも大き
な視点でものを見て、共通理念や共通の価値のために努力する能力
を持つ。その能力によって、レベルの高さが生まれるのだ。
これは、地域に食を提供するパン屋の従業員のチームでも、民主主
義を守るために働くアメリカ国民の団体でも同じだ。自分より大き
なものを背負った時、人は最高のパフォーマンスを発揮するのだ。
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