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渡辺勝幸の日本一元気になるメールマガジン
第4392号 令和4年9月23日(金)発行
発行部数 11,513 部
【英傑を奮起させるために】
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【英傑を奮起させるために】
わが国においては、足利時代の末、
天下が分裂抗争していた際、各地方に割拠している群雄は、
いずれも都に旗を建て、天下に号令する身分になりたいと願っていました。
すなわちその心のうちは、
天下や将軍のために尽そうというものでもなく、
天下万民のために尽そうというものでもなく、
いずれも自分の私心を存分に遂げたいと思うのみでした。
中でも甲・越の二氏、すなわち武田氏・上杉氏や、三好氏などの行為は、
嘔吐に堪えざらしめるものがありました。
しかるにわが洞春公のみは、逆賊陶晴賢を伐ち滅ぼし、
尼子氏を征伐することによって、大義を明らかにし、
民のいのちをたいせつにし、とりわけ将軍足利氏の衰微を心配して
義昭を保護し、朝廷の儀礼のすたれたことを嘆いては、
御即位の費用を献上したのですが、
この類のことは、すべて公の至公至仁の心から発したことであって、
絶対に私欲を逞しくしようとする野心はありませんでした。
すなわち公の行為は、領土を広め、衆民を得ようとして争ったものではなく、
これが洞春公たるところであって、
この点こそ、文王の文王たるところでもあり、
いずれも今の諸侯の良師ということができます。
わたくしは平常、今の諸侯の家臣たるものが、その志すところ、
わずかにその一国内の事に止まっていて、
他国のことなど、心配する余裕がなく、その果ては、
自国一つさえ治めることができないという、
極めて哀しむべき姿を嘆いています。
なにとぞ、英傑を奮起させ、その人物とともに、
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