「小松成美の伝え方の教科書 ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術」
vol.34「芝居は人生。演出家・蜷川幸雄さんが「シェイクスピア」を通して伝えたかった哲学とは?」
【今週の目次】
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1. 成美のつぶやき
└筋金入りのホースウーマンだったエリザベス女王
└鮮やかに思い起こされる女王の微笑み
2. 芝居は人生。演出家・蜷川幸雄さんが「シェイクスピア」を通して伝えたかった哲学とは?
└ シェイクスピア・シリーズのスタートから24年
└ 面白くない芝居もあるから、面白い
└ 最も怖い演出家!?蜷川幸雄の指導哲学
└渋滞に巻き込まれて遅刻したインタビューの日のこと
└芝居とは、人を思う心を与うるもの
3.小松成美のオススメの〇〇!!
4.小松成美の質問コーナー
5.お知らせ
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1. 成美のつぶやき
今月の8日夕刻、エリザベス女王が滞在中のスコットランド・バルモラル城で亡くなったと英王室が発表しました。エリザベス女王は1926年4月21日生まれ。享年96歳でした。
1952年、父親のジョージ6世の死去に伴い25歳で即位し、在位期間はビクトリア女王(1901年に81歳で死去)の63年7か月を超え、英国史上最長となりました。今年は即位70年の節目を迎え、6月にはイギリス各地で盛大な祝賀行事やパレードが開かれたばかりでした。
国葬では何百万人もの人々が棺に祈りを捧げる様子が報じられました。十数時間も列に並び別れを告げる人々の様子は、国民に愛された女王だったことの証でした。
実は私は、人生でたった一度、エリザベス女王の隣に立ったことがあるのです。
2001年にイギリスのアスコット競馬場で行われるロイヤルアスコットという競馬のレースを取材に行った時のことでした。
今回のつぶやきは、その時の思い出についてお話ししたいと思います。
筋金入りのホースウーマンだったエリザベス女王
王室が所有するアスコット競馬場では、毎年6月第3週にイギリス王室が主催の競馬“ロイヤルアスコット(英: Royal Ascot Race Meeting)”が開催されます。
▼ロイヤルアスコットとは
1711年にアン女王がアスコット競馬場こそ競走馬が全速力で走るのに最も適した場所と定め、イギリス王室主催の競馬開催を行ったのが始まりである。
イギリスのウィンブルドン選手権やヘンリー・ロイヤル・レガッタ、ゴルフ全英オープンに並ぶ夏の大イベントとして、イギリス国内だけでなく世界中の競馬界と社交界の大イベントとされている。
例年開催中にはエリザベス女王自らウィンザー城から馬車に乗って臨席し、レース表彰式では女王自ら優勝馬関係者に優勝トロフィーを贈呈する。
また、レース前の開会式には華やかなパレードが行われる事でもよく知られている。毎回、ウィンザー城から馬車で30分程度かけて競馬場に馬車でイギリスの国家元首が登場してレースを盛り上げる。このような王室の参加・ロイヤルエンクロージャーの立ち入りに関しては、宮内官のアスコットにおける国王陛下名代がこれを監督している。〜Wikipedia『ロイヤルアスコット開催』より〜
アスコット競馬場を創設したのは、アン女王(在位1702~14年)です。
エリザベス女王の曽祖父・エドワード7世(在位1901~10年)は、ダイヤモンドジュビリーで1900年の英三冠を達成したほか、1909年にはミノルで英ダービーに優勝して、歴代国王の中で唯一在位中に英ダービーを制した人。エリザベス女王の父は英1000ギニーと英オークスの英牝馬2冠馬のサンチャリオットを所有したジョージ6世(在位1936~52年)です。
そんな環境のもと、エリザベス女王は4歳の時に祖父のジョージ5世から初めてシェトランドポニーを贈られ、ペギーと命名。6歳になると乗馬ができるようになっていました。所有の馬が勝利を上げたのは1600回、イギリスのクラシック競争5つのうち4つを制する快挙も達成しています。生前には24頭の現役馬を所有していたほどの、筋金入りのホースウーマンです。
このように、古くから王室と関わりが深く歴史のあるアスコット競馬場で行われる“ロイヤルアスコット”。今から20数年前、私も取材を兼ねて誘っていただき、ロイヤルアスコットを観戦しました。
メインスタンドで見ることになったので、厳格なドレスコードを守る必要がありました。
ツバのついた帽子を被り、ワンピースとハイヒールで参加しました。
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